昨日に引き続いて人事考課の話です。今回は人事考課の面談について管理職の立場から留意すべき点について書いてみたいと思います。
人事考課面談の目的
上司と二人で個室にこもって面談するのって苦手じゃありませんか?普段、信頼関係ができていればいいんでしょうが。さて、人事考課の目的は3つです。
- 人事考課の結果を伝える
- 振り返りを促す
- 動機付けする
前回の記事で書いたように、部下の育成のために上記の3つを行います。
人事考課面談の進め方
- 人事考課の根拠となるデータや資料を揃える
- 面談時間を十分にとる
- 万全な体調で臨む
- 真正面に座らない
- 最初は雑談から入る
- 評価結果を伝える
- 評価の理由、根拠となった事実や行動を伝える
- 良かった点、改善してほしい順番で伝える
- 部下の話をよく聞く
- どうしたら次は良い評価が取れるか伝える
- 上司として具体的な支援を部下に約束する
- その他、考課に関わらないことでも何か上司に伝えたことがないか聞く
- 笑顔で終わる
準備が大切
簡単に書いても人事考課は13のステップに分解できます。一つ一つ細かには説明しませんが、1−3は面談に望む前の準備のことです。部下にとっては1年の集大成の面談になります。管理職はしっかり準備して望むのは当たり前です。
安心した雰囲気をつくる
4−5は前菜ですね。座る位置は結構重要です。部下の斜め横が一番おすすめです。真正面は対立の角度ですから。デリケートな話をする際は避けたほうがいいです。それからいきなり本題から入らないこと。部下も緊張しています。場を温めてから本題に入りましょう。
相対評価に対して部下は納得している
そしていよいよ本題の結果を伝えます。人事考課の大原則は1次評価者は絶対評価するです。評価基準に照らし合わせて本人の行動や業績がどうだったかの視点で評価します。2次評価者は1次評価者の評価を前提としながら、極端な評価項目があれば1次評価者に相談しながら、必要があれば修正する程度です。ただし、実際には人件費の原資の総額は決まっているので、人事部が相対評価します。人事部が一人ひとりの評価を見るわけではありません。機械的にA評価は全体の5%まで。B評価は20%までと線を引くだけです。管理職のよっては、「自分はいい評価をつけても相対評価で下がると面談の際に部下する自信がない」と話される方もいます。しかし、部下も大人です。人件費の総原資が決まっていること、相対評価が最終的に入ることは百も承知です。だから、そんなことで不満をもつ部下は少ないです。むしろ、どんな根拠でどんな事実で部下を評価をしたのか。そして相対評価のボーダーラインはどこだったかをしっかり伝えることが大切なのです。その際、ちゃんとした根拠資料を示しながらは言わずもがなです。評価結果を伝える順番は、結果→良かったところ→改善すべきところです。最初に改善すべき点を伝えると良かった点も耳に残りませんから。逆に良い点を伝えてからだと、改善点にも耳を傾けてくれます。
結果を伝えた後は、これからどうするかです。ここからが管理職の腕の見せ所です。どんな風に行動を変えれば、あるいは能力を高めれば次年度の評価があがるかを考えます。ここは部下の思いもしっかり聞きながら面談を進めましょう。部下だって良い評価を取りたいんです。でも、どうやったらいいか?どうしたら自分の能力やスキルが成長するのか分からないんです。そして、能力やスキルを伸ばすのには本人の頑張りだけでなく、上司の支援が必要になります。具体的には仕事の与え方です。本人の能力やスキルが伸びるような場をつくって上げられるのは上司だけですから。
そして最後は笑顔で締めくくりましょう。