今年も1カ月を切りました。1年は早いですね。忘年会の季節にもなりました。この時期は、お客さまと飲む機会も増えます。気心の知れたお客さまと飲むと、お酒の勢いもあって、「くま坊さん聞いてくださいよ!うちの組織は・・・」組織論の話題になることがあります。今日は組織論について考えてみたいと思います。
目次
1.組織の基本は官僚制
2.官僚制の特徴
3.官僚制が機能しない原因
4.組織は何も解決してくれない
組織の基本は官僚制
組織と聞いて皆さんがイメージするのは、ピラミッド型の組織ではないでしょうか?お役所に代表される官僚制ですね。「官僚制」という言葉ってマイナスのイメージが浮かびませんか?
- 判子が多い
- 融通が効かない
- 意思決定が遅い
でも、官僚制が誕生した時は画期的な組織制度でした。官僚制の原型が生まれたのは漫画キングダムでお馴染みの秦の時代です。その後、随の時代に生まれた科挙制度で強化され宗の時代に完成されました。科挙制度というのは、生まれや身分に関係なく、試験で優秀な人材を見つけて官僚になる制度です。中国で生まれた官僚制ですが、秦の時代から現代に至るまで採用されてきた組織制度だけあって、本来はとても良く出来た組織制度です。
官僚制の特徴
官僚制の特徴は2つです。
- プログラム
- ヒエラルキー
プログラムとは、定型の仕事は現場で処理することで、イレギュラーの仕事だけが上に上がってくるという仕組みです。ヒエラルキーは階層のこと。現場、課長、部長、社長と階層を分けることで、それぞれの役割にあった仕事に取り組むことができます。当たり前の話ですが、官僚制が生まれた当時としては画期的だったのです。昔も今も仕事が出来る人に仕事は集中します。忙しいと力は分散されますよね。すなわち、官僚制とはそもそも、優秀な人に創造的な仕事に集中してもらうための仕組みなのです。
官僚制が機能しない原因
元々、生産性が高い組織形態なはずの官僚制ですが、近年はマイナスな側面ばかり強調されます。その原因は何なのでしょうか?
- 決断できない人が増えた
- ルールが煩雑になった
- 非定型の仕事が増えた
1番問題なのは決断できない人が増えたことのような気がしています。決めない課長、決めない部長、決めない社長が増えているのでばないでしょうか。ビジネスが複雑になり過去の成功体験が通用しないという背景もあると思います。決めれない人が言う常套句は、「意志決定に必要な情報を集めてくれ」。気持ちは分かるけど、部下からすれば意思決定するのがあなたの仕事ですと言いたいですよね。💦
ルールが煩雑になることもよくあります。惰性で仕事の目的を考えなくなり、なんのためか分からない手続きばかり増えるのもよくある事です。
非定型の仕事が増えていることもあるかもしれません。正確に申せば、環境が変わって従来の定型業務が通用しなくなっている状況です。仕事の標準を現在の環境にあうように見直すことが必要です。
組織は何も解決してくれない
冒頭の「うちの組織は・・・」に戻りますと、組織形態が仕事をしてくれるわけではありません。仕事をするのは人です。だから、うちの組織が駄目だというのは、うちのA部長が駄目、B課長が使えないということなんですよね。もちろん、現場の実態に合わせて組織形態を変えることはあります。官僚制以外にも事業部制とか、参謀(スタッフ)とか様々な組織が誕生してきました。でも、どんな組織形態にも一長一短があります。やはり、組織の要を誰に任せるかが最も重要だということです。