クマ坊の日記

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管理職は部下の相談を安易に解決はしてはいけない

管理職になると部下から毎日のように相談を受けると思います。仕事ができる管理職は忙しい中、部下からの相談に対して的確な「答え」を提供します。しかし部下の相談に「答え」を与えることが部下育成の面ではマイナスな効果を与えることがあります。今日はその落とし穴について書いてみたいと思います。

 

目次

1.部下は困っているから相談する

2.仕事が出来る上司のもとでは、部下は育たない

3.どうしたらいいのか?

 

 

部下は困っているから相談する

部下が上司に相談を求めるのは、当然仕事で困っているからです。その仕事に関する経験が乏しかったり、自分の判断に自信がないため、経験豊富な上司に相談します。部下は当然、最適な答えを上司に求めます。そして多くの場合、心ある仕事ができる上司は部下が求めている答えを的確に答えてくれます。部下から頼られたら嬉しいですしね。

 

仕事ができる上司のもとでは部下が育たない

相談すれば、いつでも、どんな問題でも的確な答えを提示してくれる上司は部下にとってみたら頼もしい限りです。そして、部下は困ったことがあったらすぐに上司に「答え」を求めるようになります。なぜならそれが仕事で最高の成果をあげるための最短距離だと分かっているからです。上司としても部下が成果をあげて組織の業績があがれば万々歳です。しかしここに落とし穴があります。部下=相談する人、上司=答える人という関係性が固定されてしまう恐れがあります。すなわち、問題解決しているから一見上手くいっているように見えますが、部下の上司への依存度が高いため、問題が起きても自分で考えないようになってしまいます。いわゆる思考が停止した状態です。当然、自分で困難を乗り越えて仕事が上手くいったわけではないので成長もしません

 

どうしたらいいのか?

部下から相談が来たら、上司は安易に「答え」を提示しないことです。部下から相談を受けた時、私はこう対応しています。一通り部下からの相談を受けた後、「で?Aさんはどうしたいの?」まずは本人に仕事のゴールを考えさせます。その上で、ヒントになるような質問をします。「ホニャララの視点は?」「ホニャララのデータはあたってみた?」抽象的でもダメだし、具体的すぎてもだめですが、部下の習熟度をみながら質問をしていきます。そして、最後に部下にこれからどんなアクションを行うかを自分の口ではなさせます。そして、「途中の進捗を報告して、期待しているよ」と伝えます。この一連の行動はコーチングといわれている内容です。私は管理職になりたての頃、なんでも部下の相談に答えていました。1年後に部下が全く育ってないことに気づきました。人材育成の仕事を生業にしているのに恥ずかしい話です。

 

大切なのは部下の仕事の習熟度を観察して把握していることが大前提です。何もしらない新人にコーチングしても、新人もつらいですから。その時はしっかり基本をティーチングで教え込みます。また緊急をようする仕事はもちろんコーチングなんてしません。そんなことしたら、部下から総スカンですからね💦

 

上司がダメダメだと、部下は優秀な人材に育つことがよくあります。部下がしっかりしないと仕事が回らないから否応なしに自分で勝手に育つという理由です。部下育成は時間がかかります。部下の成長曲線は一人一人異なります。だからこそ、上司は忍耐力が求められます。