クマ坊の日記

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クラウゼウィッツの戦争論と経営戦略

戦略はもともと軍事用語です。企業経営の世界で、経営戦略や事業戦略という言葉が使われるようになったのは1950年代からです。経営と戦争の類似性から経営者はこぞって戦略を学ぶようになります。今日は戦略論について解説したいと思います。

 

目次 

 

クラウゼウィッツの「戦争論

戦略論の古典として外せないのは、カール・フォン・クラウゼウィッツによって書かれた「戦争論」です。クラウゼウィッツは、プロイセン王国の軍人でした。プロイセン王国は現在のドイツがある地域に1701年から1918まで栄えた王国です。ヨーロッパの名門軍事国家でしたが、フランスのナポレオンに1806年に破れ国土の半分を失います。妥当フランス!妥当ナポレオンを掲げて書かれたのが「戦争論」でした。だからナポレオンを徹底的に分析して生まれた戦争論だったのです。

名著で学ぶ戦争論(日経ビジネス人文庫)

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ナポレオンはなぜ強かったのか?

ナポレオンが出現する前の戦争は、王族が傭兵を雇って展開されてました。身分制度の壁があり平民が将校になることもありませんでした。しかし、フランスは違いました。徴兵制がしかれ多くの兵士が戦場に動員されました。しかも、フランスの自由を守ることが大切だと信じてやまない兵士ばかりです。兵力数だけでなくモチベーションも高い兵士を天才ナポレオンによって指揮される。クラウゼウィッツは戦う前からプロイセン王国は負けていると考えました。だから、戦争には目的が必要だと唱えました。企業経営の観点で言えば経営目標が大切だということです。シェアを取る戦いなのか、新しいマーケットを創造する戦略なのか。

クラウゼウィッツは、ナポレオンの戦略についても徹底的に分析しました。ナポレオンは少ない戦力で100戦100勝の無敵の強さを誇りました。なぜそんなに勝てたのでしょうか?答えは、勝てるところでしか戦わなかったからです。具体的には敵が主戦場に揃う前に、素早く行動し、各個撃破によって数多くの敵を破った為でした。戦術的には側面攻撃を得意としました。どんな強い軍隊も、側面から攻められると脆いものです。

クラウゼウィッツの「戦争論」が評価される理由は、ナポレオンの勝ち方から分析された、「予め目標地点を定めない戦い方」の重要性を主張している点だと言っても過言ではありません。

 

戦略論から学べる経営戦略の教訓

異なる戦略をライバル社が取る場合は、「スピード」が生命線になります。まさにナポレオンの戦略です。しかし、ライバルと同じ戦略を取る場合は、規模の大きい方が有利となります。実際、プロイセン王国はフランスと同じような徴兵制を取ることで兵力を増やしました。ナポレオンが各個撃破を仕掛けてきたら、撤退して戦力を温存しました。ナポレオンが破れたワーテルローの戦いではフランス軍が得意として側面攻撃をしかけ破っています。

 

クラウゼウィッツは欧米の戦略論の古典です。戦略に興味がある人は1度読んでみてもいいと思います。ちょっとボリュームありますが💦