クマ坊の日記

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孫子に学ぶリーダーの資質

今日は中国の古典「孫子」の一節からリーダーの資質について考えてみたいと思います。

 

目次

 

 

孫子」とは何だ?

紀元前500年頃の中国春秋時代の軍事思想家孫武の作とされる兵法書です。紀元前500年と言われてもピンときませんよね。日本でいうと縄文時代から弥生時代に移行するぐらいに書かれた戦略論です。今でもその考えは色褪せることはありません。

 

孫子」が生まれた時代背景

いわゆる戦国時代ですね。数多くの小国が乱立していました。孫子の作者の孫武は呉という国に遣えていました。戦国時代なので生き残るにはどうしたらいいかが大命題でした。孫子は生き残るための戦略論として誕生しました。「孫子」は戦略論のバイブルです。しかし、その戦略論を書いた孫武が遣えた呉という国は他国に攻め込まれて滅亡しました。なんか皮肉なもんですね。

 

孫子」が唱えるリーダーの資質

将とは、智、信、仁、勇、厳なり

どんな意味かというと、将軍に必要な資質は智謀、信義、仁慈、勇気、威厳と言っています。もう少し解説すると、敵に勝つためには先を見通し、謀略を駆使できる「智謀」とその作戦を実行できる「勇気」必要である。軍をまとめるためには、部下から信頼される「信義」、部下をおもいやる「仁慈」と、その一方で部下から恐れられる「威厳」も必要だと言っています。

 

全部の条件を備えた人材は稀だし、全部が優れていると弱みにもなる

伊達政宗五常訓でもお伝えした通り、全ての条件をもった人材はなかなかいません。また全ての条件を高いレベルで持っていても弱みになることもあります。

 

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江戸時代の儒者である、荻生徂徠(おぎゅうそらい)さんは、孫子に書かれるリーダーの条件についてこんな風に述べています。

おおよそ智ある人は勇ならず、勇ある人は智ならず、仁なれば厳ならず、厳なれば仁ならず、四つの徳備わりても信また備わり固し

              「孫子国字解」

これもわかりやすく解説すると、「頭のいい人は実行力に欠けるよね、実行力ある人は思慮が足りないよね、やさしい人は厳しくなれないし、厳しい人は優しさに欠けるよね。四つの徳が備わっていても部下からも信頼されるのは難しいよね

 

今も昔も部下の人心掌握は悩みの種だったのが伺えます。

 

じゃあどうすればいいの?

一人で何でも解決しようとしないこと。周囲の力を借りることです。自分が得意なことは自分がやる。他のメンバーが得意なことは任せる。そのためにも、自分自身の強みと弱みを理解しておくことが大切です。

 

さあ、12月! 今年もラスト1ヶ月頑張るぞー。