今日は最近読んだ本の紹介です。本のタイトルは「池上彰が聞いて分かった生命のしくみ」です。内容は題名の通り、池上彰さんが聞き手となり生命科学について東工大の教授が分かり易く解説してくれるというものです。
目次
この本を読むきっかけ
私はバリバリの文系です。でも、小さい頃から恐竜とか天体とか生命に興味を抱いていました。父がNewtonという科学雑誌を購読していたのも影響を受けたと思います。父はおそらく私に理系の道を選んで欲しかった節があります。残念ながら理系の道には進みませんでしたが、生物科学や天文学にも興味を持つようになったので父の目論見は全くの的外れでもありませんでした。ありがとう親父。
最近でもノーベル賞を受賞した山中教授のIPS細胞に関する本を読んだりしていました。ただ知識が聞きかじりなので根本的な原理原則を学び直したいなと思っていました。それも、文系の私でもサクッと理解できるよう本を。娘と図書館を訪れた時にこの本を見つけました。さすが、池上彰さん。とても分かり易い本です。
「大発見」の思考法 iPS細胞 vs. 素粒子 (文春新書)
- 作者: 山中伸弥,益川敏英
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/11/02
- メディア: Kindle版
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セントラルドグマ
今更ながら当たり前のことですが、人間も動物も植物も、この世界に生きる全ての生物は細胞レベルでは同じ作りなんですよね。DNAから「RNA」という分子に情報が伝わり、RNAからタンパク質が作られるという流れです。この理論をセントラルドグマというそうです。普段は忘れがちですが、我々人間も地球上に住む生物の一つにすぎないんですよね。
私たちの存在は偶然に偶然が重なった結果
ダーウィンの進化論は誰でも1度は聞いたことがあると思います。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるものでもない。唯一生き残ることが出来るのは変化できるものである」この文章からは、生物は目的があって、それに向かって進化してきたような印象を受けます。しかし実際は、生物は突然変異を繰り返し、たまたま環境の変化に適応できる種が生き残ってきたとのことです。ポイントは「たまたま」です。本当に偶然の積み重ねなんですよね。
明石家さんまさんが「生きてるだけで丸儲け」という名言を放っていますが、私たちは生物科学的な側面でも、生きているだけで奇跡の存在なんだなと改めて感じました。
DNAには無駄な部分が多い
人間の遺伝子をつくるのに使われているのは、DNAのうちのたった5%だそうです。残りの95%は無駄な部分だそうです。ただ、この無駄な部分が生物の多様性をつくりだす上で大変重要だと考えられています。現在は何の働きもしていないようなDNAが何かの環境変化の時には役に立つ部品かもしれないとのことです。無駄いいかえれば余裕があるからこそ、生物の多様性は生まれてきたとも言えるそうです。
多様性と私たちの社会
生産性、効率が問われる現在の日本ですが、一見無駄に見えるものを許容することが社会の多様性を形成するには役立つのではないでしょうか。そして多様性があると強い社会が生まれるんじゃないですかね。生命科学から自分たちの社会を振り返るなんて面白いですよね。
さあ、今週も今日一日。お仕事頑張って、週末は娘と遊ぶぞー。