クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

コンサルタントに必要な資質

私の仕事はビジネスパーソンの人材開発です。企業の依頼を受けて、その会社で働く人々の人材開発を行うために制度や仕組みに関するアドバイスをしたり、研修を実施することで人材開発の支援を行います。では、そのような支援を行うコンサルタントとはどんな資質や能力が必要なのでしょうか?今回はそのあたりを解説してみたいと思います。

 

目次

 

 

 

コンサルタントは誰でもなれるが生き残るのは難しい

世の中には様々なコンサルタントと名乗る人がいます。私は人材開発のコンサルタントです。それ以外にも戦略系コンサルタント、生産系コンサルタントマーケティングコンサルタント・・・様々なコンサルタントが存在します。コンサルタントになるために特別な資格はいりません。自ら手をあげて、「私コンサルタントやります」と宣言すればコンサルタントになれてしまいます。なんとも怪しい職業ですよね。なるのは簡単なのですが、仕事が舞い込んでくるかどうか、仕事を継続できるかどうかは非常に不安定な職業でもあります。1回1回のプロジェクトが真剣勝負です。高い費用を上回る、満足度を得る仕事をしなければ次の仕事のチャンスはまわってきません。逆にいい仕事をすれば、リピートの仕事も多いですし、他の企業への紹介していただく機会も増えます。

 

コンサルタントに求められる資質

前述したようにコンサルタントになるために特別な資格は必要ありません。しかし、優秀なコンサルタントには共通の資質があるように感じます。これは感覚値的なものです。でも、下記のような資質があるコンサルタントは人気があるように感じます。

 

  1. 顧客の立場で常に考える
  2. 思考を停止しない
  3. 論理的思考力をもっている
  4. 話がわかりやすい
  5. ハードワークを厭わない
  6. 感じが良い
  7. 体力がある
  8. 常に勉強している

そして、これらの資質はインプットの学習も重要ですが、より大切なのはどんな"経験”を30代前半まで獲得してきたかが重要になります。

 

コンサルタントMBAは役に立つか

若いコンサルタントで、MBAをMaster of Business Adoministration 「経営学修士」を取る人も増えてきました。海外だとMBAを取らなければコンサルタントになるのはまず無理ですが、日本のコンサルティングファームだとそれほど重要視はされません。少なくとも私が所属している会社は。

 

日本でもビジネススクールは2000年代に入り数多く設立されました。今では年間5000人ぐらいのMBAホルダーが誕生します。ただ、海外のビジネススクールに比べて日本のビジネススクールのレベルはまだまだ低いのが現状です。仕事を続けながら2年間通えば、ほとんどの人がMBAをホルダーとなります。日本でも優秀なビジネススクールはありますが、慶應、一橋、神戸、といったところでしょうか。MBAではケーススタディを中心に経営を学びます。でも、当然ですが実際のビジネスはケーススタディで解けるような簡単なものではありません。なぜなら、そこに人が介在するからです。論理的には正しい意思決定であっても、企業の現場ではうまくいかないことが多々有ります。既得権益だったり、昔からの仕事のやり方だったり、社内の政治力だったり、リソースがなかったり・・・。ということで結論からするとMBAホルダーになること自体は全くコンサルタントになるには役立ちません。

 

コンサルタントに役立つ経験

20代、30代前半に、どっぷり仕事にはまり込んだ経験やコンサルタントになるには役立ちます。新事業の立ち上げ、新製品の開発、製造現場でのコストダウン、営業現場でのマネジメント・CSR部門の立ち上げ・・。稀有な経験だとなおさら望ましいです。大手企業のコア事業にどっぷり浸かってきた人が重宝されます。若いときに、正解のない仕事の中にどっぷりつかり、成果をあげてきた人がコンサルタントとして高いバリューを発揮しているように見えます。

 

論理的思考力とプレゼンテーション力は後から鍛えられる

論理的な思考力とプレゼンテーション力は後からトレーニングしても鍛えられます。特にコンサルになりたいと考える人の多くは、論理的思考ができる人が多いですし、そもそも相談される案件自体が難解なので自然と論理的思考力は鍛えられます。またプレゼンテーションは上手い、下手がありますが、これもトレーニングで後から十分補強できます。というかこの2つがないと仕事がいただけません。仕事を取るために必死なので自然と身につきます。

 

意外に貴重な感じの良さ

すごく意外だと感じるかもしれませんが、感じの良さというのはコンサルタントとして非常に重要な資質です。どんな分野でもコンサルタントになる人は、自分の能力に自信をもっています。すると、自分より能力を低い人を馬鹿に思えてしまうんでしょうね。仕事欲しいから最初から横柄な態度をとる人はいませんが、切羽詰まった状況だったり、思ったように周囲が動いてくれないと、感情を顔に出してしまうコンサルタントは意外に多いんです。そもそも組織で働くことが苦手でコンサルタントの道を選択した人も多いですし。(苦笑)いくら優秀でも、そんな人とは仕事したくはありませんよね。だから感じがよい、いつも感じが良いというのは優秀なコンサルタントになるためには重要な資質だと私は感じています。

 

最も重要な資質は体力

知的な感じがするコンサルタントという職業ですが、実は一番重要なのは体力です。短い期間で、優れたアウトプットを出さなくてはいけません。また複数のプロジェクトを抱えているのが普通です。また全国あちこち移動もしなくてはいけません。仕事でアウトプットを出し続けながら、隙間時間で自分のインプットを増やす作業も求められます。売れっ子になればなるほど体力勝負です。

 

常に勉強しているコンサルタントが優秀なコンサルタント

優秀なコンサルタントは常にインプットを欠かしません。本を読むのもありますが、新しいビジネスの情報に敏感で、自ら現場に出向きます。逢いたい人がいれば、自ら会いにいきます。仕事をする時も、既存のやり方だけに固執せず、新しいやり方を柔軟に提案していきます。好奇心旺盛な人がコンサルタントには向いています。