今日は書籍の紹介です。私の職場では輪読会を毎月開催しています。今日、ご紹介する本は先月の輪読会に部下が選んでくれた本です。他人が勧める本は、思わね気づきあり楽しいです。
目次
書籍 「言葉に出来るは武器になる」
著者は、電通のコピーライターの梅田悟司さん。今回、読むまで知りませんでしたが累計15万分も売れているんですね。梅田さんの直近の作品は、ジョージアの「世界は誰かの仕事でできている」「この国を、支える人を支えたい」タウンワークの「バイトするならタウンワーク」CMで良く見るし、耳に残るコピーライトを送りだしていますね。この本は梅田さんが、いかにして思考を深め、1人でも多くの人の心に響く言葉を生みだすのか、そのプロセスを説明している内容です。
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本の構成は大きく3つ
第1章「内なる言葉」と向き合う
第2章 正しく考えを深める思考サイクル
第3章 プロが行う「言葉にするプロセス」
内容を乱暴に説明すると、言葉のスキルを磨く前に、自分の気持ちを把握しなければ強い言葉を生み出すことはできない。第1章は考えを持つことの大切さを解説。第2章は考えを深める思考を解説。第3章は言葉にするテクニックを解説しています。
特徴的なのは第3章
テクニックは全て中学校までに習った文法です。以下、気になった使い方と例文を記載します。
たとえる 〈比喩・擬人〉
別の事象に置き換えたり、物事を人間の行動に例えることで、理解する方法である。こうすることで、自分が言いたいことが、自分だけのイメージではなく、他者にも共有できるイメージになりやすい
「今一度日本を洗濯致し候」坂本竜馬
「リーダーとは、希望を配る人のことだ」 ナポレオン・ボナパルト
「私もあなたの作品の一つです」森田一義
自分の得意分野の話に例えることで、自分の言葉が生まれると梅田さんは解説します。ビジネスの現場で使う時は比喩は難しいですね。利き手のバックグランドが違うから。例に上げたスラムダンクの安西先生の言葉、30代、40代は分かると思いますが、それ以外の読者は???ですよね。💦
繰り返す 〈反復〉
繰り返しには大きく2つの方法がある。同じ言葉を繰り返して人々の印象に残すこと。そして同じ言い回しや単語を効果的に繰り返すことでリズムをつくり、理解を促す方法である。
I have a dream マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
もしも、I have a dreamを繰り返すことなくスピーチを行っていたら、内容や意味の素晴らしさは変わりないとしても、演説が行われた1963年から約50年の歳月を経た現在まで語り継がれるものになっていない可能性も否定できない。それだけ繰り返しの効果は大きい。
確かにこの演説は名演説です。私も大好きです。生き様と言葉がシンクロしているから余計に心に染み入ってきます。余談ですが、この演説は用意されていた原稿ではありません。即興です。心の底からの言葉ですね。
ビジネスの現場でも繰り返しは使いやすいし、効果があります。言葉を強くするというより、耳にタコができるほど話すことで、部下は諦めて、そのことだけは守ってくれるようになります。根気勝ち。この本の使い方とは違いますね。💦
動詞にこだわる 〈文章に躍動感をもたせる〉
文章を、書く時に気をつけていることがいくつかあるのだが、その多くは文章や言葉に臨む心構えである。そのなかで、実際に言葉を選んだり、精査する時に方法論として実践していることが一つだけ存在する。それは、動詞にこだわることである。日本語は構造的に動詞が最後に くることが多い。そのため、動詞によって文章の印象だけでなく、発している言葉の本気度が決まってしまうことが多いからである。
私はこの道を全力で走った。
↓
私はこの道を疾走した。
私はこの道をひた走った。
私はこの道をかっ飛ばした。
この動詞を意識するのは、初めてしりました。他の内容は、文章の書き方やプレゼンテーションに関する本にも目にしますが、この動詞の使い方は目に鱗でした。
マネジメントと言葉
著者も話す通り、まずは言葉よりも自分の考えを深めることが大切だと思います。その上で言葉のボキャブラリーを増やすことは、組織で階層を上げれば上げるほど大切です。経営者、役員、部長、課長。一対複数で話す機会がある人は、言葉を大切にして欲しいですね。話題の映画やドラマや漫画を見たり、美しい文章で書かれた小説を読んで心震わせた方が間違いなくマネジメント力は向上します。