クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

企業と人材育成と私

目次

企業はなぜ人材育成を行うのか

ある程度の規模の企業になると、社員を育成する仕組みが整っています。新入社員教育とか管理職教育とか。企業は学校ではないので、立派な大人に育てようと考えて教育を実施しているわけではありません。目的は企業が描く戦略を実現するためです。

 

ビジネスにおける代表的なリソースと言えば、人、モノ、カネ、時間、情報です。昔はカネを集めるのに苦労しました。資金の調達先といえば銀行ぐらいでしたから。今は、いいアイデアがあれば様々なマーケットから資金を調達することができます。お金が集まれば、モノは購入できます。設備も資源も。情報は溢れかえっています。溢れすぎて、どの情報を取捨選択するかはセンスが問われますが、目的が明確であれば欲しい情報の多くは入手可能です。時間は24時間、誰もが平等。企業が一番、思い通りいかないのが人というリソースです。

 

だから企業は人材育成に投資をします。だから本来、人材育成を統括する人事部は経営や現場について熟知しておく必要があります。実際、欧米の企業の人事部の多くはそのような役割を担っています。

 

欧米の企業と伝統的な日本企業の人事施策の違い 

しかし、日本企業の人事部は欧米とは主な機能が違っています。人事戦略ではなく人事管理の役割の多く担ってるケースが多いです。歴史がある企業ほど人事管理の役割が大きいです。何故なら、昔は経営と労働者の関係はもっと対立的でした。組合のチカラも強く、組合の意見が通らないとストライキなんて時代もあったんです。そういう時代の人事の役割は、労働者を管理すること。イレギュラーな人材を出さないこと。だからより管理の志向性が強くならざる得ませんでした。その名残が残っています。

 

人材管理を大切にしている企業は、人材育成管理のやり方も管理志向で計画されます。乱暴に一言で表せば、「社員にペンギンスーツを着せる教育」です。個性なんていりません。我が社の仕事のやり方、我が社の価値観、にあった人材を養成するというものです。

 

流石にあからさまに、このように人材育成をする会社は少なくなりました。しかし、まだまだ多いのが実情です。一昔前は我が社にあった人材を育成することは経済合理性もありました。いかに早く、安く、上手く製品を作るかが経営方針であり、文句も言わずに歯車のように働いてくれる人材を必要としていました。

 

社員の側も、働き方に不満はありましたが、滅私奉公することが会社の発展につながり、自分の給料も年々アップするので、管理されることを是としてきました。

 

これからの企業の人事施策

でも、もうそんな時代でもありません。企業は自社の戦略を考え、社員の力を最大限に引き出す人事施策を展開していかなくては生き残れません。社員も会社と個人の雇用関係は滅私奉公ではなく、対等だと意識した方がいいと思います。もちろん対等の関係になるのは難しいですが自分の価値を高めることで、そんな関係が実現できると私は考えます。精神的にも金銭的にも自由であるためには個人のバリューを上げるしか手はないかなとも思います。

 

成熟化した社会では、多様な価値観を尊重できる会社の方が魅力的です。そのような企業の方が、多様な人材を引きつけることができるでしょう。でも、多様な価値観を尊重するということは、マネジメントの在り方も変わることを意味します。角一的なマネジメントから、個別管理のマネジメントへ。実現すれば働く側としては、厳しけど楽しい職場になるでしょう。管理職はより複雑なマネジメントが求められるので、より気苦労は多くなるかもしれません。

 

私のミッション

私は、企業がより個別管理のマネジメントができるようになって欲しいと願います。戦略と人事の交差点、あるいは経営と現場の交差点で価値を提供することが私のミッションです。人材開発を通して、企業とそこで働く人々に少しでも貢献できたら嬉しいです。そしてそのことが、自分の娘へより良い社会を残していくことに繋がるとも信じています。

 

就職するときは、自分のミッションなんて考えもつきませんでした。天職とかやりがいとかは、一握りの天才だけのものと思っていました。将棋の棋士やプロサッカー選手、音楽家、芸能人・・・本人も周囲もその才能にいち早く気づき、努力して競争に勝ち残ってきた人だけが天職という言葉にふさわしいと思っていたこともありました。40過ぎてミッションと言える仕事に従事できる自分はラッキーです。

 

孔子も言っていましたっけ

「吾、十五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従えども、のりをこえず」

 ちなみに占いでは、大器晩成だそうです。(笑)