今週は各社の新入社員研修にオブザーブで伺う機会が多い。希望に満ち溢れている新入社員に会うたびにパワーをもらいます。"素直さ” ”ひたむきさ” ”まじめさ”。売り手市場とはいえ、ゆとり世代とはいえ、やはり10年前、20年前よりも優秀な子が多いと思います。こういう優秀な新入社員が育たないのであれば、それは配属先の管理者の責任かなと私は思います。もちろん管理者の立場からすれば、忙しい中、一時的にはチームの戦力ダウンとなる新人の受け入れは面倒だなと思う気持ちもわかりますが。
新人育成のポイントは大きく2つ。①多くの人が新人に関わるような職場づくり ②新人の成長に必要な経験を与える。
私の場合はこんな風に、新人育成を進めます。
1 管理者の心構え編
①人は成長できると信じる
学歴とか関係なく、誰でも人は成長できると信じること。このように人の成長を認知している管理者の下では部下は育ちます。
②"私が育てる”と意気込まない
育成に意気込みすぎると、「私はこんなに育成に力を入れているのに、新人は応えてくれない」と空回りしてしまうことがあります。人の成長は人それぞれなので、あまり力入れすぎないほうがいいです
③育成ではなく支援
新人が成長するか否かは、最後は本人次第です。新人とはいえ大人ですから。野菜じゃないんだから上司の思い通りに育成はできません。むしろ支援するスタンスのほうがいいです。
基本編
2 新人と面談する
1時間ぐらい雑談します。私はひたすら聞きます。最初は趣味とか、学生時代の話とか。将来のキャリアの希望や、我が社への入社動機。新人の人となりの情報を必死に集めます。また同時に、話しやすい雰囲気を心がけます。もっとも部長なので、新人が本音で話してくれるなんて思ってはいませんが、話を聞くという行為自体が大切です。
3 新人に期待を具体的に伝える
私が所属しているのは営業部なので、1年間で営業の基本を身につけることが目標になります。私のもとに配属された新人には法人営業に関する書籍を渡します。1年後にはこの本に書かれていることをできることがゴールだと伝えます。
3 OJTリーダーと職場のメンバーにも新人への期待を具体的に伝える
OJTリーダーにも新人と同じ書籍を渡します。ゴールを共有化するとともに、各項目をいつぐらいまでに身につけさせたいかのリクエストをだします。またその行動を身につけさせるために、具体的にどんな仕事をアサインするかも相談します。またOJTリーダーには一人で抱え込まないこと。少しでも困ったり、悩んだりしたら相談するように伝えます。
職場のメンバーにも、新人への期待を会議の場で伝えます。会議の場には当然新人も参加しています。そして、気づいたことがあればいつでも誰でも新人に指導するように指示します。初めにこうしておくと、職場のメンバー全員が新人に関わりやすくなります。
4 最近どう?
昼飯、会議、職場で定期的に声がけします。「最近どう?」。上司が自分に関心をもってくれていると感じるだけで、多少はモチベーションあがります。
5 情報収取
OJTリーダーと職場メンバーから新人について情報収集を行います。またOJTリーダーと新人は交換日記をしてもらっているので、その記録もだしてもらいます。その時、仕事ぶりだけでなく、プライベートの情報も私はならべく収集するようにします。プライベートでうまくいかないことがあれば、仕事にも影響しますし。新人が自分のプライベートのことを職場メンバーにも話せるということであれば馴染んでいると判断できますから
6 フィードバック
月に1回の割合で、新人とOJTリーダーと私の3人で面談を行います。ここは質問しながら、できていない行動はダメだししながら、何故できないか新人に考えさせます。そしてどう改善していくかを相談します
7 褒める
新人と同行営業をしたり、小さい仕事を頼んだりする際に、行動がよくなっている時は具体的に行動を褒めます。要求水準までとどかなくても、改善する工夫が見られればそのことを自体を褒めます。ポイントは小さな変化を見逃さないこと。フィードバックでアドバイスしたことを忘れないことです。
8 周囲にアピールする
新人が頑張っていることを他部門や職場のメンバーに伝える。巡り巡って本人に、私の褒めていることが伝わります。間接的に褒められるのも嬉しいものです。
1年間、上記を繰り返していけばだいたい成長してくれます。新人は真っ白なキャンパスのようなものなので、吸収力がすごいです。新人の育成はたいへんですが、どうか大変さも楽しんでください。