クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】オンライン研修の進め方

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コロナウィルスの影響で、リアルな集合研修からZoomなどを使ったオンラインでの研修依頼が急増しています。私も知見があるわけではありません💦 突貫工事で研修設計しながら試作を繰り返し、実験を通してやり方を模索しています。こんな状態ですが、明日から実戦投入です💦 でも実験をくり返すなかで、これは大切だなと感じることも分かってきました。今日はオンライン研修の進め方について書きたいと思います。

 

 

スマホじゃなくて、PCを用意する

まずは、オンラインの環境です。物理的にはスマホでも受講できますが、画面サイズがあるPCで参加が良いと思います。チャットを使ったり、画面共有もするので、その意味でも安定感のあるPCがいいです。もっとも、YouTubeのように一方的に講義を聴くような内容であればスマホでも問題ありませんが。また、受講者はイヤホン。講師はベッドセットを用意した方が無難です。余談ですがベッドセットは1万以上のものがお勧めです。ノイズキャンセリング機能がしっかりしていて、マイクの音をしっかり拾ってくれて、長時間の使用に耐えられる耳のクッションがしっかりしているものが良いです。回線も有線の方が安心です。ちょっとした会議であれば無線でいいですが、研修中に回線が切れたら最悪ですから。企業がオンラインで研修を計画する際は、ハード面でまずは越えなければならないハードルがあるように感じます。

 

グランドルールが重要

通常の研修でもグランドルールは作りますが、オンラインはより大切になります。講師も受講者も画面上では相手の反応が分かりづらいからです。反応を示す時は大きくうなづくとか、手で合図を送るなど予めルールで決めておくことが大切でしょう。また、講師はマメに質問を投げかけたりすることも必要だと感じています。

 

事前課題が研修効果を高める

オンライン研修の醍醐味は、遠隔地にいる受講者同士がネットを通じて出会える点です。そして、ひとり一人にカメラが向けられているので話していたらそれなりに、話してなくても目立つ点です。裏を返せば濃密な対話が可能ということです。しかし、留意する点があります。オンラインで対話する前に、対話のテーマに関して個々人に予習させてくることです。リアルな研修だとそこまで準備しなくても、誤魔化しが効きますがオンラインだとそういう訳にはいきません。対話の前提となる共通知識や情報がないと薄〜い議論で終わりますから。コロナのおかげで、オンライン研修の世界に踏み込みましたが、これはこれで新たな可能性を感じています。

【人材育成】新入社員が知っておくといい3つの事

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新入社員の皆様、入社おめでとうございます。本来なら今日は入社式なんでしょうが、コロナの影響で中止になった方も多いのではないでしょうか。私の生業は企業の人材育成を支援する仕事をしています。企業の多くは入社した人材に教育機会を与えることで、戦力化を目指します。テクノロジーが発達すればするほど、人の違いが企業の競争優位に繋がるからです。今日は成長の視点から、新入社員の皆様へ贈る言葉です。

 

 

人生どこで何がどう繋がるか分からない

コロナで巣篭もりをしている中、昔の映画をAmazonで見ていました。その映画はバック・トウ・ザ・フューチャー。タイムスリップするドタバタ活劇です。私はこの映画を初めて見たのは小学生でした💦当時は1985年。この映画を35年後に妻と娘と3人で自宅で再び観るとは思いもしませんでした。これは私のプライベートの話ですが、人生はどこで何がどう繋がるか分かりません。だから人との出会いは大切にして欲しいです。

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背伸びを意識する

さて、ここからが本論です。まず、新入社員の皆さんが意識すべきことは、背伸びの経験を自ら獲得しにいくことです。新入社員だと、何が背伸びか何がそうでないか分からないと思いますが、何事も初めてなので、上司や先輩から任された仕事はほ背伸びの経験になります。だから、頼まれた仕事は積極的に引き受けた方がいいです。上司や先輩も最初はそんなに難しい仕事は渡しませんから安心してください。難しい仕事を渡して新人が炎上したら、その尻拭いをするのは上司や先輩になります。忙しい時にそんな事は回避したいので難しい仕事は渡しません。むしろ、簡単な仕事ばかり渡しがちです。簡単な仕事は、精神衛生上も楽ですが成長の視点で考えると新入社員にとっては好ましくありません。1年経っても上司や先輩から依頼される仕事に変化がない場合は要注意です。自ら新しい仕事やタスクを求めるのがいいでしょう。

 

経験から学び、経験を捨てる

任された仕事が終わったら必ず振り返りましょう。失敗したら何がいけなかったのか。うまくいったら何が良かったのか。さらに良くするためにはどうしたらいいか。1日5分でいいから振り返る時間をルーティンにするといいです。ノートや手帳にメモできたら最高です。併せて業務に関連する本を最低10冊は読んでください。営業だったら、営業に関する本やプレゼンテーション、企画書に関する本など。丁寧に読まなくてOKです。同じ本を集中的に読むと、共通に出てくるキーワードが見つかります。そのキーワードと経験の振り返りが繋がると新たな気づきが生まれます。新たな気づきは、新たな行動に繋がります。経験を振り返るだけでも成長はできますが時間が余計にかかります。まあ、行動しない経験しないよりはいいですが。経験しなければ、1ミリも成長する事はありません。

ビジネスモデルや役割が変わらなければ、経験から振り返るだけである程度成長できます。しかし、異動や外部環境の変化から従来の成功パターンが通用しない時が必ずきます。その時は自分の経験を否定して、新たに学び直す必要があります。でも、これが難しい。そのためには、若い時から自分の仕事とは違った分野にも興味を持つことが重要です。決して仕事馬鹿にはなってはいけません。

 

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他者と繋がる

そして最後に大切なのが、他者と繋がることです。人は1人では成長しません。でも、背伸びした経験も周囲の力を得ることで乗り越えることは可能です。より成長するためには多様な年代、多様な価値観と繋がることです。同期とだけ連んでいては駄目ですよ。社内の人間とばかり話すだけでも不十分です。どんどん社外の人や、偶然の出会いを自ら求めて外に出てください。全ての出会いが、あなたの成長の糧になるはずです。

 

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【人材育成】学び方をデザインする

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昨日の記事では、ついやってしまう体験の作り方をご紹介しました。記事にもチラッと書きましたが、私がここ数年取り組んでいるのも、学び方と言う体験をデザインすることです。今日はその事について書いてみたいと思います。

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学校での学び

そのテーマについてよく知っている人から、知らない人に講義を通して学ぶ方法です。いわやる学校の先生と生徒の関係です。生徒は新しい知識や情報を獲得します。日本人が慣れ親しんでる学び方です。この学び方の課題は、受講者が受身になりやすい点です。「いい話を聞いた!」と思うのですが、翌日にはほとんど忘れています。

 

アトリエでの学び

いわゆるワークショップ型の学びです。自ら考え、手を動かしながらアウトプットを作りだしていきます。アウトプットを生み出すプロセスを通して様々な気づきを得ることが可能です。講師の役割はおのずとファシリテーション型になります。場を活性化しながら、受講者の学びを最大化するのを支援していきます。アトリエ型の学びの課題はテーマやファシリテーターの力量によって、アウトプットが予定調和になることです。一言で言えば「驚き」がなくなります。感情が揺さぶらなければ、学びで得られことも限定的となります。

 

劇場での学び

これは受講者が別の受講者を楽しませるプロセスを通して、気づきを獲得していく学びです。子どもみているとよくわかります。親や友達を楽しませようとして様々な工夫をします。その過程で新しいことを学んでいきます。例えばバレンタインデーで驚かせようと、新しいチョコを試作したり、ラッピングを工夫したり、サプライズ感をだすために「チョコはつくってないよ」なんて小芝居をうったり💦自分のためではなく、他者のためにとなるとより深い学びにつながったりします。このような学びにおいて講師の役割はプロデューサーです。いかに受講者が本気になれるような舞台を設定できるか、本気で発表を聞いてくれるオーディエンスを揃えるかにかかってきます。この学びの課題は、このような学びを許容し支援してくれるような企業文化が必要だということです。まあ、一言でいえばノリがよくて徹底できる企業文化です。

 

この3つの学びにどれが優れているとか優劣はありません。何を学ばせるかで、どの学びが最も効果的かは違ってくるからです。学びかた自体も疑ってかかることが大切なんだと思います。

【人材育成】成長するビジネスパーソンは2つの記憶を使いこなしている

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私の生業はビジネスパーソンの人材育成です。顧客は企業であり、多くはいわゆる大企業と言う奴です。ビジネスは学校と違い正解がない世界です。まだ、不条理なことも多くかと思います。そんな世界で頭角を表すビジネスパーソンは自分を俯瞰して見られる人です。専門用語で言えばメタ認知能力に長けている人です。今日はそんな人たちの特徴について考えてみたいと思います。

 

メタ認知は鍛えられるか

自分を俯瞰することで、自分が足りない点、逆に強みも理解することができます。理解できれば、自分で乗り越えたり他人に協力を仰ぐことができます。当然、仕事で成功する確率も高まり、成功経験を通じて成長します。では、このメタ認知はトレーニングを通じて引き上げれるものでしょうか?答えはYESです。身近な手法だと日記などの記録をつけて、俯瞰するのが効果的です。

 

エピソード記憶

日記を振り返る時のポイントはエピソード記憶を通して振り返ることです。エピソード記憶とは、個人が体験した出来事の記憶です。例えば上司から「コスト意識」が大切だと指導された時、「はい、わかりました!」で終えるのではなく、コスト意識が大切だと実感させられたエピソードやその時の感情まで振り返ることです。そのように振り返る事で「コスト意識」に対する理解が深まります。

 

意味記憶

もう一つは意味記憶です。言葉の意味に関する記憶です。その言葉にどんな意味があるのかを理解する助けになります。先ほどの「コスト意識」ひとつにとってしても、上司が考えている「コスト意識」と部下が考えるものでは相違がある可能性があります。「コスト意識の言葉が意味すること」を話し合うことでズレがなくなります。ビジネスで使われる言葉は、非常に曖昧に理解されていることが多いです。だから、エピソード記憶意味記憶の2つのアプローチで振り返ることを習慣化しておくと理解度が深まります。

【人材育成】新人研修にマナーは必要ない

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先日、お客様との打ち合わせでビジネスマナーの話題で盛り上がりました。今日はその時のお話。

 

 

会長が好きなので

その企業では、毎年4月にビジネスマナーの専門家を招いて新人に対して研修を行うとのこと。その企業は直接お客様と接する機会が少ない業種なので、これほどビジネスマナーに力を入れているのが不思議でした。そこで興味本位に何故ビジネスマナーにこだわるのか質問してみました。その答えは、『会長がビジネスマナーの講師と昔から懇意にしているもので。。。新人はほとんど製造ラインに配属なので来客応対も名詞交換もすることは、ほとんどないのですが💦 でも、毎年の恒例で。。。』そんな予想外の答えを聞いてズッコケそうになりました。

 

残念な研修

今回のケース程でないにしても、毎年やっているからという理由で、ナゾ研修が継続しているケースがあります。ビジネスマナー自体は大切だと思いますが、職場で使う場面が少ないスキルを研修で学ばせるのは意味がありません。どんな研修でも、インプットは必ずアウトプットとセットであるべきです。

 

新人研修にマナーはいらない

私自身は新入社員研修を担当することはないのですが、ビジネスマナーは研修で学ばなくてもいいように思います。今時、カズレーサーのように真っ赤なスーツで出社する強者はいないでしょう。敬語や電話が対応できない新人はたくさんいるでしょうが、慣れるのも時間の問題のような気もします。お辞儀の角度とかもはや様式美ですし。

誤解して欲しくないのは、ビジネスマナーが不要だとは1ミリも考えていないです。人が成長する上で他者の存在は不可欠ですし、他者と繋がる第一歩としてビジネスマナーは重要です。でも、マナーのプロに1日〜2日かけて教わる必要性は感じません。接客業は別ですが。

寧ろ、新人の時に学ぶべきことは、『学び方』だと私は考えます。学生時代は正解を学びますが、ビジネスパーソンはどんな問いを設定するかが問われます。経験から学ぶ力で成長スピードは変わります。どれだけ多くの人と繋がれるかで学習機会が大きく変わります。

どんな仕事に従事するのか、そこでどんな経験を獲得できるか。どんな人との出会いに恵まれるか。これらは全て偶然なのですが、『学び方』学ぶ事で素敵な偶然を引き寄せる確率は高まるように思うからです。