クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【人材育成】白神山地とポジション争いとビジネスパーソンの成長

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今春も多くの新入社員研修を担当させて頂いています。皆さん素直で真面目でキラキラしています。私が話す事を一生懸命メモしています。その姿勢は素晴らしいのですが、新人の皆さんに対しては話聞くだけでは成長できない事を必ずお伝えしています。

 

 

白神山地と共生

白神山地ってご存知ですか?秋田県青森県にまたがる広大な山地帯です。世界最大級のブナの原生林が広がります。人の手がほとんど入っていないのが珍しく、1993年には世界遺産に登録されています。私が訪れたのは2000年だったと記憶しています。当時は毎月200時間ぐらい働いていて、流石に身体と心が悲鳴をあげました。10日間休暇を取って北東北の青森、秋田、岩手をドライブ旅行しました。白神山地は見渡す限りの森と山。疲れた私を優しく包んでくれました。雄大大自然にも感動したのですが、そこで出会ったネイャーガイドの話も印象に残っています。白神山地には多種多様な動植物が共生しています。共生って響きが優しいですよね。でも、実際の植物同士は過酷な生存競争を繰り広げているんですよね。少しでも日当たりが良い場所を確保するために枝を伸ばすし、水分を取るとめに根も伸ばす。そんな繰り返しが、白神山地の多様性を形成しています

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ポジション争い

この事は働く職場にも当てはまります。どんな仕事もポジションが限られます。重要なポジション言い換えれば貴重な経験をつめる事でビジネスパーソンは成長することが可能です。成長して評価を受ければ報酬にも繋がりますね。新入社員の時にこの事を理解しているか否かは、その後の成長に大きな影響を与えます。学生時代と同じように、仕事は会社が与えてくれるもの、成長機会は人事が考えてくれているもんだと受身の姿勢で過ごしていると、会社に使い捨てにされる労働力になりさがります。企業だって競争しているわけですから、いかにインプット少なくアウトプットより多く出すかに必死です。価値を生み出す優秀な人材には惜しみなく投資するけど、それなりの人材はそれなりの投資で済ませたいですよね。経営者がそんな考え持ってなくても、株主からのプレッシャーには抗えなくなってきています。

もう一つ悩ましいのは、重要なポジションが変わってしまう時代だということです。昔であれば花形部署とか分かりやすかったです。現代は、花形が負け犬に、負け犬がキラ星に目まぐるしく変わります。だから新入社員は世の中の動き、社内の動きにも関心を持つべきです。そして、5年後、10年後にどうなりたいか想像の羽を広げるべきでしょう。未来の事は誰にも分かりません。でも、想像する事は可能です。どうなりたいかは、損得だけでなく好きか嫌いかも加味して考えるべきです。こんなことは新入社員も理解はしているのですが、自らアクションを起こせる人、起こせない人で別れるのも事実です。

 

 

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今を一生懸命生きてみる

将来に未来を馳せながらも、まずは目の前の仕事に全力で取り組む事です。いきなり高みには駆け上がれません。全ての仕事は異なるようで基本は同じです。そして成長するには時間が必要です。すぐ身につくものはすぐ使えなくなります。長い期間かけて習得したスキルや習慣は想像以上に強固です。今を一生懸命生きつつ、顔を上げて社会や周囲に関心を持つ事が、豊かな社会人生活を過ごせるように私は思います。

【人材育成】ビジネスマナーで差をつけよう!

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新入社員研修で学ぶ項目で、ビジネスマナーがあります。新人の頃には口酸っぱく周囲から指摘されますが、ベテランになればなるほど出来なくなる不思議な代物です。今日はビジネスマナーについて考えてみたいと思います。

 

 

人は見た目が9割

職場での第一印象はやはり重要です。人が人を評価する基準はかなり曖昧です。ビジネスマナーは周囲が新人を評価する際の物差しになります。上司や先輩も人なので、めんどくさそうのとは絡みたくないと感じるのは自然な感情です。新人の立場からすると第一印象で判断するなんて!という意見もあるかもしれません。でも、例えばコンビニの前でうんこ座りしてカップラーメン食べている学生がいたら、どう思うでしょうか。あまり近寄りたくないですよね。実際に話してみたら、とてもいい若者だったとしても。職場の上司、先輩は自らのビジネスマナーの物差しで新人を評価します。ビジネスマナーの物差しは、会社や職場によって違います。緩い職場もあれば厳しい職場もあります。緩い職場に配属される新人は要注意です。周囲が緩いからと安心していると勘違いします。仕事は取引先など外部の人間とも接するからです。外部は外部の物差しで、その人物を評価しますから。

 

ビジネスマナーとフィードバックの関係

ビジネスマナーには、お辞儀の角度とか、敬語とか様々なルールがあります。どれもしっかり身につけることが出来るとそれだけで周囲から一目置かれるでしょう。周囲から一目置かれれば、上司や先輩とのコミュニケーションも自然と増えます。周囲から可愛いがられることで、フィードバックをもらいやすくなります。フィードバックは、ビジネスパーソンにとって極めて重要です。何が強みで何が弱みかは自分ではなかなか分かりませんから。周囲からのフィードバックという鏡を通してのみ、自己を振り返る事が出来るのです。

 

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インプレッションマネジメント

ビジネスマナーは新人だけの問題ではありません。管理職以上にむしろ必要とされるスキルです。挨拶しない管理職って多いですから。周囲を動かして成果を上げるのが管理職です。昔のようにコマンド&コントロールで成果は上げれません。現代は対話と共感のマネジメントの時代です。だからこそ、自分が周囲からどのように見られているかに敏感でなければいけません。自分の印象をマネジメントすることをインプレッションマネジメントといいます。ビジネスマナーもその1つです。

 

たかがビジネスマナー、されどビジネスマナーですね。

 

【人材育成】あなたは今を生きていますか?

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学生のとき、好きだった映画に「今を生きる」があります。ロビンウィリアムズが主演で、確かアカデミー賞脚本賞を取った作品です。先週、今週と新人研修を担当させて頂いている機会が多いのですが、ふとこの作品を思い出してしまいました。今日はその時のお話です。

 

 

成長を急ぎすぎる新人

研修後に新入社員と夕飯を食べていると、「この会社にずっといるかは分からない」「3年後には転職しているかもしれないと」いう発言が意外に多いのに驚きます。新人研修の講師に、そんな話しをするのも驚きですが💦。人手不足の売手市場ですし、転職を考えるのも健全です。寄らば大樹の陰よりもいいですよね。ただ、少し急ぎすぎのような感じも受けました。

 

出来ると実践するには深く暗い溝がある

どんな業種、どんな職種でも活躍するためには土台が大事です。具体的にはコミュニケーション力、ロジカルシンキング、その合わせ技である問題解決力の3つになります。最近はこれらに加えてリーダーシップも求められます。基本的なスキルとはいえ、習得には時間がかかります。日常の仕事でも意識してこれらのスキルを実践しないと身につきません。知ってると出来るにも大きな壁がありますし、出来ると実践するには深く暗く広がる溝があります。わかっているけどできるけど実践できない事は意外に多いものです。

 

遠くの将来よりも「今を生きる」

一握りの天才を除けば、全員普通の人です。すぐに活躍できるよかビジネスパーソンになりたいかもしれませが、あせりは禁物です。目の前にある仕事に全力で取り組み、その経験をしっかり振り返る事でしか成長は望めません。今をいきことが成長への近道のよう思います。

そして、是非、スキルだけでなく感性も磨いてください。昔はより早く、より安く、より高品質を目指せばビジネスは上手くいきました。だからスキルの向上がビジネスパーソンとしての成長に繋がっていました。現在は分からないことがあれば、GoogleYouTubeですぐに調べられる時代です。知識やスキルの価値が相対的に下がってきているように見えます。むしろこれからはセンスや感性が問われる時代のような気がします。そして多くの人が共感できるような感性を合わせ持つ人の価値が高まるのだと思います。

 

冒頭の映画、今を生きるでこんなセリフがあります。

「私たちが詩を読み書くのはカッコイイからではない。私たちが詩を読み書くのは人類の一員だからだ。人類は情熱で満ちている。医学、法律、ビジネス、エンジニアリングは私たちの生活に必要なものだ。しかし、詩、美しさ、ロマンス、愛情こそが私たちが生きていく目的そのものだ・・・

 

あなたは今を生きていますか?

 

いまを生きる (字幕版)

いまを生きる (字幕版)

 

 

 

 

【キャリア】社会人の世界へようこそ!

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4月1日、多くの会社で入社式ですね。今の気持ちはどうですか?これから皆さんは長い時間をかけて、学生から社会人の階段を登っていきます。ビジネスパーソンのキャリアを例えるなら、山登りといったところでしょうか。今日はビジネスパーソンの第一歩を踏み出した皆さんに向けて書いてみたいと思います。

 

 

人との出会いを楽しむ

社会に出て戸惑うのは人間関係ではないでしょうか。学生時代と違って職場には、年齢も価値観も雇用形態も違った様々な人達がいます。優しい上司、先輩もいればその逆の人もいます。新入社員には職場がまるで猛獣だらけのジャングルに思えるかもしれません。でも、自分と会う人、合わない人ひっくるめて、出会いを楽しんでください。出会いはあなたを成長させてくれます。何故なら、多くの人と関係性を作れる人は多くのフィードバックを獲得することができるからです。多くは、小言や叱咤激励で歓迎しないフィードバックかもしれませんが💦 勿論、全てのフィードバックを吸収する必要はありません。心が疲れてしまいますから。でも、若い時のフィードバックは貴重です。三年もたったら上司、先輩からのフィードバックは激減します。その頃には社内での人物評価のレッテルは固定化されます。社会はある一面では冷酷です。懇切丁寧に教えてくれる人はいません。周囲から応援したい、いい奴だと思われる人のみがフィードバックを受ける機会を獲得できます。だからこそ、自ら新しい出会いを楽しめるといいですよ。

 

あらゆる経験を楽しむ

ビジネスパーソンの成長は、7割が職場経験、2割が上司、先輩からの指導・薫陶、1割が学習です。圧倒的にどんな経験をするか、経験からどんな事を学べるかが重要になります。だから、自ら積極的に未経験の仕事にトライするといいです。全ての経験があなたの成長につながります。時にはこんな経験したくないという時もあるでしょうが、数年経った時にあの経験が貴重だったなんて事もあるもんです。

 

安全地帯をつくる

 「人との出会いを楽しむ」「あらゆる経験を楽しむ」とサラリと書きましたが、実際にはストレスフルですよね。この二つを行うには安全地帯を作っておくことが重要です。安全地帯があるからこそ、自分が自分でいられる場所があるからこそ、未知の体験にチャレンジできるというものです。職場の風土が人に優しけれざ最高ですが、そんな場所ばかりではありませんよね。家族、友人、恋人、趣味・・・なんでもいいので自分にとっての安全地帯をしっかり築きましょう。出来れば複数、そんな場所があるといいですね。

 

自らに投資する

毎日、五分でいいから自己投資してください。本を読む、資格の勉強をする、セミナーに参加してみる。継続することが重要です。人生100年時代。学び続ける人、何度も学び直しができる人が生き残っていける時代ですから。継続は力なりです。

 

道は必ず開ける

最初はなかなか上手くいかないことの方が多いかもしれません。でも、上手くいかないこともひっくるめて社会人を楽しんでください。人が成長するのに大切なことは、楽しむことです。趣味を感がてみればわかることです。好きなことなら何時間でも熱中できませんか?趣味にハマればハマるほど、その事柄に関しての知識は深まり、腕前も上がっていきます。仕事と趣味を同列に語るのは乱暴かもしれませんが、成長の背景としては同じメカニズムです。だから、ワークもライフも楽しむことが、社会人生活を充実するのには重要だと私は考えています。 

 

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【人材育成】 管理職を孤立化させるな

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最近、若いビジネスパーソンから「管理職は魅力がない」「できれば自分はなりたくない」とう声を聞くことが多くなったような気がします。確かに、年々、管理職への期待と役割は増える一方です。今日は現代の日本企業の管理職について考えてみたいと思います。

 

 

管理職は孤立する

管理職の仕事は職場のマネジメントです。そのことは今も昔も変わりません。しかし、マネジメントの領域はひと昔前とは大きく様変わりしています。「業績を出せ!」「部下のメンタルをケアしろ!」「パワハラに気をつけろ!」「部下と対話しろ!」「プレイヤーとしても働け!」「オペレーションも管理しろ!」「残業は減らせ!」経営から管理職に降ってくるオーダーは増える一方です。期待役割は増えているのですが、管理職教育の投資は良くて横ばいです。期待役割が増えれば、当然、必要になる能力やスキルは増えます。それに伴い、トレーニングする時間や予算が増えてしかるべきなのですが。。。外資系企業では管理職を一般社員の延長上とは捉えていません。だから管理職となるべき人をしっかり選別し、専門的なトレーニングやジョブアサインメントを通じて、マネジメントスキルを高めようと努力します。

その一方で、日本の管理職は新任管理職研修をよくて2日間程度実施するのみです。研修内容も、労務管理や評価者研修などにとどまります。かくして多くの管理職は自分の上司をモデルに学ぶしかありません。しかし、上司が管理職をやっていた時代は、もちろん現在のような複雑性、広範囲な役割は期待されていませんでした。極論すると「義理と人情と根性」という前近代的なマネジメントでした。

 

チームでマネジメントする

管理職にしっかりトレーニングをすることは重要ですが、それ以上に大切なのはマネジメントをチームで行うことです。私が愛する横浜F・マリノスは今年のキャプテンを三人制にしました。キャプテンが三人?ということで違和感を持ったファンもいたかと思います。しかし、私はとてもいい試みだと感じました。誰か1人が引っ張るというのは、負担が大きいからです。リーダーシップ研究でも、リーダーシップは誰か1人が発揮するのではなく、全員が発揮する方が成果を発揮すると最近は考えられています。職場も同じです。期待役割を全てを1人で担える管理職はスーパーな人材です。仮にそんなスーパーな人材がいたとしても、長期間そんなストレスフルな状態が続けば心身を壊してしまうでしょう。だから、チームでマネジメントする体制に移行することが望ましいと私は考えています。