クマ坊の日記

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【人材育成】ホウレンソウからザッソウへ

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年明けからブログが更新できてなくてすいません。とにかく仕事が忙しくて💦まあ商売繁盛だからありがたいことです。各社の人材育への投資意欲が高いです。景気がいいんですかね。個人的にはあまり実感はないのですが。

さて、久しぶりの記事はビジネスネタです。ビジネスの世界でコミュニケーションという言葉は実に曖昧です。「職場のコミュニケーション」に問題があるという時のコミュニケーションが何を指すかは人それぞれだったりします。今日はそんな曖昧な職場のコミュニケーションの変化について書いてみたいと思います。

 

 

職場のコミュニケーションとは何か?

冒頭に記載した通り、「職場のコミュニケーション」ほど悩ましい表現はありません。「会話」「説得」「説明」「調整」「風通し」など様々な意味合いを持ちます。ただ職場で求められるコミュニケーションとは何かと問われたら、報告・連絡・相談のビジネスコミュニケーションを指します。仕事のために必要なコミュニケーションですから。だから新入社員研修で最初に教えられるのは「報告・連絡・相談」、略してホウレンソウです。

 

ザッソウが求められる時代背景

しかし、ビジネスコミュニケーション=ホウレンソウの方程式が変化してきています。ビジネスコミュニケーション=ホウレンソウ+ザッソウです。ザッソウは私の造語です💦 ザッソウの話の前に、One on Oneについて解説する必要があります。

最近、書店に行くと「One on One」と書かれた書籍が並んでいるかと思います。このOne on Oneとは「上司と部下が人としてコミュニケーションを取るための継続的な取り組み」です。わかりづらい定義ですよね。なんでこんな仕組みを企業が採用し始めた背景を説明します。昔は、残業しながら雑談したり、仕事帰りに飲みニケーションが当たり前でした。一見無駄に見えたこのような時間で、上司も部下もお互いの信頼関係を築いていました。でも昨今は、働き方改革で残業はできませんし、パワハラやセクハラの問題があるため上司と部下がプライベートなことを話づらくもなりました。タバコ吸う人も少なくなったので、喫煙所での情報交換も少なくなりましたよね。

上司と部下が話すことは、業務に関するホウレンソウが中心となってしまいました。それでビジネスが上手くいけば問題ないのですが、様々な面で弊害もでてきました。まず第一に人材のリテンションです。人手不足の時代に、優秀な人材に辞められるのは経営としても痛いところです。「部下が何を考え、何を感じ、将来どいうことをしていきたいのか」を上司が理解することがリテンションにはかかせません。第二にイノベーションです。従来通りのビジネスだけでは持続的成長は難しいと多くの経営者が考えています。そのため現場の第一線にいる社員の知恵や情報からイノベーションを生み出す重要性を感じています。情報があがってくるためには、忖度ではなく、真の現場の声を聞きたがっています。そのために、継続的に社員の考えを吸い上げる仕組みをつくろうってことです。

シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

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ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

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 ザッソウとは知的な雑談

さて、ではザッソウとは何かということですが、ずばり「知的な雑談です」個室で2人で話すのは管理職は苦手です。管理職はまず何を話したらいいかわかりません。部下の話を聞くのが目的なのに、ついつい上司の話が長くなってしまいます。特にベテラン男性管理職は、責任感が強いからのか、父親的、親分的なスタンスからなのか雑談するのが下手です。One on Oneの仕組みを作っても、業務報告を個室でやっているケースもみられます。では、「知的な雑談」をするにはどうしたらいいのでしょうか?私がオススメしているのは、経験を振り返ることです。1ヶ月の仕事での経験を振り返り、お互いが語りあうだけでも良いと思います。何か雑談の共通のネタがあるといいです。経験から感じたことや考えたことを共有するだけでも、上司と部下の距離は縮まるように思います。

 

 

 

【人材育成】 働く姿勢を指導する方法

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今日は部下指導で一番上司が頭を悩ます、部下の働く姿勢を指導する方法について考えてみたいと思います。私自身も過去、年上部下の指導やゆとり世代の部下を持ったときにものすごく悩んだ経験があります。

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期待しないけど、あきらめない

働く姿勢に関して指導が必要なビジネスパーソンの多くは社内でローパーフォーマーの人が多いのではないのでしょうか。本人のモチベーションの問題なので、指導は難しいですよね。でもだからといって放置するのはよくありません。周囲の人間のやる気もそぎますから。こういう部下を持ったときは上司自身のマインドセットが大切になります。一言で申し上げれば「期待しないけど、あきらめない」です。期待しすぎても人は急には変わりません。相手が変わらないと指導する側もストレスフルな状況に陥りがちです。部下に潰される管理職も多いですよね。だから、過度に変わることを期待しすぎないことです。その一方で矛盾することを言いますが、あきらめてもいけません。あきらめたら、そこで変わることはNo チャンスですから。

 

いったんは周囲の評価を無視してみる

社内で評価の低いビジネスパーソンは、実際に酷いケースがほとんどです。しかし、私は意識的に周囲の評価をいったん無視するようにしています。なぜなら周囲の人間の評価でいかようにも変わるのが、人の評価や評判だったりするからです。逆も真なりで、いくら周囲の評価が高くても鵜呑みにはしないよう心がけています。

誰もがバカじゃないから、相手が自分のことをどのように見ているかはすぐわかりますよね。丁寧な口調でも自分のことを見下しているとか、甘い言葉をかけるけど信頼されていないとか。

 

相手の言い分をグッとこらえて聴く

王道ですが、相手の言い分をまずは聴くことです。聴いているうちに、「何甘いことを言っているだ!」「自分のことしか考えない奴だ」と腹が立つ話もあると思いますがグッとこらえて聴くことです。相手にオープンな人物だと認識されないと、どんなにいいことを話しても心に響きません。グッとこらえて聴くとは、うなづいたり、相づちをうったりしながら聴くことです。

 

期待を伝える

相手にもあなたの期待をしっかり伝えてください。日本人はここでついオブラートに包んで、曖昧な言葉を選びがちです。でも曖昧な言葉では伝わりません。具体的な行動を数値等を交えてながらストレートに伝えましょう。期待はあなと部下とが結ぶ共通の物差しになります。物差しがないとフィードバックしようもありませんから。

 

定期的にフィードバックする

部下と握った期待行動については、定期的にフィードバックを行ってください。良かったことは感謝し、ダメだったことはスパイシーなフィードバックを行う。フィードバックのコツは事実を集めながら、「私からはこのように見えますよ」と伝えることです。スパイシーなフィードバックをすると反発したり、回避しようとするのがノーマルな反応です。でも、そのような反応が現れても怯んではいけません。年上部下だったりするとそんな反応を取られたら、がくブルですが勇気を持って踏ん張りましょう。それを続けていけば、相手が根負けして態度を変えてくれる確率も高まります。

 

【人材育成】複雑なスキルの教え方

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昨日、新人への指導の仕方というテーマで記事を書きました。新人に指導する内容の多くは、作業手順が決まっているものが多いように思います。しかし、簡単な仕事ばかりされても職場は困ります。成長して付加価値の高い仕事が出来るようになって初めて人材投資の回収が出来るからです。そこで、複雑なスキルの指導方法を考えてみたいと思います。

 

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 複雑なスキルとは

例えば問題解決のスキルや、プレゼンテーションのスキルなどは複雑なスキルをイメージしてください。どんな仕事も、突き詰めれば問題解決です。でも、勤続年数をいくら重ねても残念な問題解決しかできないビジネスパーソンは存在します。専門知識は豊富なのに、人に伝えるのが下手なビジネスパーソンも多いですよね💦

 

複雑なスキルの指導方法

問題解決のスキルにせよ、プレゼンテーションのスキルにせよ残念な人は、頭の中が整理されていません。もっと正確にいえば「頭の中の認知」の問題です。認知できないのだから上達のしようがありません。複雑なスキルを教える際は、まず最初に型を教えることです。問題解決でいえば、多くのフレームワークを理解することです。プレゼンテーションもPREP法などの型をまずは指導することです。認知のフレームワークをまずは植え付けるのです。ここでポイントなのが「多くの」です。知っている型が一つだけだと無理がでてきます。一つのフレームワークが全てのケースで使えるとは限りませんから。教える際は、実際にやってみせるのが効果的です。

 

とにかく数をこなす

型を複数指導したら、あとは量です。覚えたフレームワークを使って数多く問題解決したり、プレゼンテーションを試してみることです。そのために指導する側が意識しなくてはいけないのは、仕事のアサインです。学んだことを試す場がなければ、上達しようにありませんから。かつての日本企業では小集団活動等のサークル活動が盛んな時期がありました。学んだことを試す場としては、とても良い仕掛けだったと思います。スキルを試す場を与えた上で、即時フィードバックをしていくことです。文章のスキルを上達させたいのであれば、ブログもいいと思いますよ。読者数やスターの数が即時フィードバックと同じ意味合いを持ちますから。

 

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【人材育成】新人への指導の仕方

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前回の記事で教え方は技術だと書きました。今日は新人に業務を教える方法について書いてみたいと思います。新人を取り上げたのは、ビジネスパーソンが「教える」場面でよく遭遇する場面だと思うからです。

 

 

まずは目的を決める

当たり前のことですが、教えるためには教える目的、すなわちゴールが必要です。でも意外にこのゴールを決めないでフワッと指導を始めてしまうケースがみられます。フワッというのは、「どういうことができるようになるかを具体的に決めない」ことです。もっと詳しく言うと「具体的な行動を決めることです」技術の事後とはその辺りが明確な場合が多いのですが、営業やスタッフ系の仕事はフワッとしがちです。そもそも教える側も自分の仕事を言語化することに慣れていないですから。同じ営業部門で働いているメンバーでも、営業の仕方を言語化しようとすると100人営業がいたら100人別々の事を話すと思います。よく新人から「同じ事を質問しても先輩によって教える内容が違う」って言われることありませんか?それほど言語化すること、言語化したことを共通言語化するのは簡単なようで難しいものです。

 

小さな階段を作る

ゴールが決まったら次は計画です。計画は小さな階段をつくることに似ています。以前の記事にも書きましたが、ここはセンスが問われます。なぜなら教える側は、新人時代の記憶なんて覚えていませんから。覚えていても美化されています(笑)何がわからないのか分からない。どれぐらいの階段が新人にとってちょうどいい階段なのか想像もつきません。だからついつい「なんでそんなことできないの!」と言ってしまいます。実際、現象面からみると「そんなこと」レベルですから。私は教える側には、とにかくゴールまでのステップを細分化してくださいとお願いします。ゴールまでの階段を小さく刻むことです。正直、教える側からすればかったるいです。でも、最初に小さな階段を作っておくほうが、指導期間は短くてすむことが多いです。

 

テンポ良くフィードバックする

小さな階段が作れたら指導です。お手本を見せてやらせてみせます。大切なのは定点観測をすること。なぜなら定点観測していないと、たまたま失敗した場面を見て指導してしますからです。指導される側からすれば、些細なミスで延々と説教されるのは嫌ですよね。定点観測することで、何ができて、何ができていないのかを教える側は理解できます。教わる方もいつも見られていると思えば指導されても聞く耳をもちます。そして定点観測して、良かった点悪かった点を即時フィードバックすることです。ここでのポイントは2点。まず、「即時」ということです。1週間ぐらいして別の仕事のミスをしたときに「あの時も同じミスしたよね」と言われても、本人は覚えていません。もう1点は「できるようになったことを褒める」です。これはなかなかできません。教える側からすれば「できて当たり前」なので褒める意識がありません。でも、新人からすれば前回指摘されたことを活かして改善しているわけです。その変化点をちゃんと見逃さず褒めてあげれば、新人は仕事を覚えていきます。

 

 

 

【マネジメント】教え方が上手い上司、下手な上司

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管理職の役割は2点です。業績を上げることと人を育てることです。日本企業のほとんどは現場で成果を上げた人を管理職に任命します。そのため名プレーヤー=名コーチにならないケースがしばしばあります。今日は人材育成の視点で、管理職を考えてみたいと思います。

 

 

教え方が下手な上司は、怒ってばかり

教え方が下手な管理職は共通して「怒ってばかり」な人が多いように見えます。熱意はあるんですが、部下のミスに過剰に反応したり、すごく偉そうに指導したり。管理職自身が若い時にそのような指導を受けた経験がそのような態度のベースにあります。だから管理職本人は、本気で部下のことを思って、良かれと思って指導しているように見えます。知識・経験を持つものが、持たざるものに指導するという考え方でもあります。師匠と弟子みたいなイメージですね。こういう教育を導管モデルといいます。このような指導で育つ部下もいます。部下もそういう学び方に慣れていれば。でも多くの人は、怒鳴ったり、ミスをチクチク指摘する上司とは距離を取りたいと考えるのがノーマルな反応です。部下が距離を置くと教え下手な上司は、「あいつは積極性が足りない」「根性が足りない」というなんだかよく分からない精神論を振りかざして、ひどい人はパワハラを引き起こします。

 

逆も真なりで、教え上手の上司には人望があつまります。部下が自然とその人の周りに集まってきます。そしてモチベーション高く仕事をしてくれるので、業績自体もよくなるという好循環が生まれます。

 

教え方にも技術がある

仕事を教える場面は日常茶飯事です。そしてほとんどがコミュニケーションを通して行われます。コミュニケショーンが技術の一つであると違和感を持つ人もいるかもしれません。少なくとも日本人同士であれば、日本語を話せればコミュニケーション取れるわけですから。でも前述した通り、教え方が上手な上司、下手な上司はいるわけです。管理職になる人は現場で成果をあげた人ですから、業務や仕事に関する情報量に大きな違いがあるようには思えません。教え方を含めたコミュニケーションの技術の問題が大きいです。そして技術という言葉をあえて使うのは、トレーニングでいくらでも伸ばすことができるということです。

 

教えるとはどういうことか

教えるとはどういうことでしょうか?ワンワードで申し上げれば「できないことができるようになること」です。私には小学校1年生の娘がいます。彼女にはまだまだ未知の世界がたくさんあります。今は、「漢字」と「ことわざ」に夢中です。「引き算」は悪戦苦闘していますが💦 「できないことができるようになる」と笑顔で報告してくれます。この状態が教わったという状態なんだと思います。

翻ってビジネスの現場を見ると、上司が教えても「部下がでないまま」なんて経験はザラです。そしてそんな時、往々にして「できない部下が悪い」「できない部下の理解度が低い」「できない部下が練習しないのが悪い」という文脈で語られることが多いように見えます。

でも、一番の問題は教える側の上司の問題なんですよね。