クマ坊の日記

人材育成とビジネスとサッカーが中心のブログです

【マネジメント】メンバーの発言を丸めていませんか?

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職場には色々なメンバーがいます。理路整然と内容を伝えられる人ばかりではありません。サンドイッチマンのコントではありませんが、「ちょっと何言っているか分からないんですが?」と言いたくなる人もいますよね。ても、放置しておくわけにはいきません。メンバーの真意を掴む必要があります。特に管理職にはそのスキルが求められます。今日は発言を受け取る側のポイントについて考えてみます。

メンバーの発言を丸めない

言葉遣いが曖昧だったり、語彙が足りなかったりする場面はあるかと思います。そんな時に、管理職がやりがちなのは、「要するにに○○と言うこと」と発言を丸めてしまうことです。要点をまとめることは、一概に悪いことではないのですが、度が過ぎると誤解の原因につながります。まだ丸めるだけならいいですが、事実や思いを歪めて捉える人もいます。私も過去、このように歪曲して理解する人に出会ったことがあります。最初は私の伝え方に問題があったのかと思いましたが、そんな人もいるわけです。意見はフラットに聞かなければいけませんが、より誤解を生まないためには質問を駆使するしかありません。

 

定番の質問を口癖にする

最初は、定型の質問フレーズを覚えることからスタートするのがお勧めです。使っていくうちに、質問のスキルは上がっていきます。

  • 今のは、○○についての話だよね?(論点を明確にらする)
  • それは、事実?それとも意見?あるいは願望?(内容の確認)
  • それは、部長としてのご意見でしょうか?(立場の確認)
  • 戦略的とはどんなことを指しますか?(抽象的な言葉を明確にする)

 

「根拠と結論」「具体と抽象」「目的と手段」「拡大と集中」を意識して、話を聞いたり質問すると話の解析度は上がっていきます。

 

 

【ビジネススキル】会議の最近の質問スキル

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社内の会議は多いですよね。会議はテーマ設定と参加メンバーが適切に準備できれば、良い会議になります。しかし、そんな都合よく運ぶことはなく、会議をファシリテーションする人の技が求められます。今日は、初心者がすぐに使えるファシリテーション技術「質問スキル」について考えてみます。

日本語は便利であり、難しい言語

海外旅行すると、日本語の有り難さを痛感します。微妙なニュアンスも日本語なら簡単に話せます。主語がなくても、「そうそう、あれね」とか曖昧表現でも、気心しれた人とは会話が成立してしまう訳ですから。母国語って素敵❤️しかし、この日本語の曖昧さ、コンテンツよりもコンテキストに長けた言語であるが故に、ビジネスや会議の場では混乱を引き起こします。

 

何かご意見ありますか?禁止

会議でよく使われる質問に「何かご意見ありませんか?」「いかがですか?」特に意見が出ていない時にこの質問をするファシリテーターは最悪です。何に対して質問されているかが理科できず、聞かれる方も答えようがありません。もっと最悪なファシリテーターは「○○と言うご意見もありますが。。。」と発言して、目で合図して発言を促す猛者もいます。そんなご意見知らないし、発言促されても困ってしまいます。

 

質問はある程度限定する

ある程度質問は限定されていた方が相手は答えやすいです。「最近どう?」より「最近、仕事の調子どう?」と聞かれた方が答えやすいですよね。会議の場でも同様です。「職場の課題について、どのように考えていますか?」「この問題を解決するアイデアはありません?」など論点を絞って質問文を作るとを意識すると良いです。5W2Hってやつです。

 

質問の順番も大事

簡単に答えられる順番から徐々に始めるのが原則です。簡単に答えられる順番とは、

  1. 事実や経験に関する質問
  2. 知覚や感情に関する質問
  3. 思考や考察に関する質問
  4. 価値や信条に関する質問
  5. 決定や行動に関する質問

「何があったの?」「どう感じたね?」「何を考えたか?」「何が大切なのか?」「これからどうする?」賢明な読者はお気づきかもしれません。効果的なリフレクションに関する記事で書いた内容と原理原則は同じです。ただ、こんな型通りに進行することはないので、相手の様子を見ながら、質問のタイミングを考えるのがファシリテーターのセンスになります。意識的にせよ、無意識にせよ質問が上手な人は、答えやすい質問の順番を理解しています。

 

オーバーリアクションの進め

質問に相手が答えてくれたら、是非やって欲しいのがオーバーリアクション。全力でうなずき、「ほー」「本当ですか?」「驚きました」「なるほど」など嫌らしくならない程度に言葉を添えるのがいいです。ただし、使い方が微妙なのは「いいですね」や「素晴らしい」です。何故なら意見に対して評価することになるからです。素晴らしいと言われなかった人は、「じゃ、私の意見は素晴らしくなかったのか」と思われる人も出てくるからです。褒めたい時は、行動にフォーカスした方が良いです。「勇気を持って発言してくれて、ありがとう」「なるほど、よく、思いついたね」などです。言葉以外にも、発言者に近づく、発言を板書するといった所作一つで発言に対する歓迎の気持ちを伝えることが可能です。

 

聴きながら周囲も見る

質問に対して相手が答えてくれる時は、オーバーリアクションの他に一つやるべきことがあります。相手の発言に集中しながら、それを聴いている周囲の反応も伺うことです。発言内容に共感しているのか?緊張している?正しく伝わっている?空気を読むというやつです。空気を読みながら、次のアクションを考えます。深掘りの質問をするのか?話題を変えるか?次は誰に発言を促すか?発言者の要点をまとめるか?などを判断材料を収集します。

 

まとめ過ぎに注意

これは私もよくやってしまう過ちです。発言者の内容を要すると短くまとめてしまう事です。分かりやすく伝える為にまとめたつもりが、発言者の意図とは違ったり、あんなに発言したのに要するのでまとめられたと思われたりする事もあります。ファシリテーションの目的にもよりますが、大原則は相手の意見を引き出すことです。意見が出てこなくなるのは避けたいので要約のし過ぎには注意が必要です。極力、相手の発言を活かすのが原則になります。

【マネジメント】職場の問題解決は議論の進め方でアウトプットが激変する

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古今東西、職場には問題が溢れています。やっと解決できた時思ったら、また新たな問題が生まれていたりします。管理職にとって職場の問題解決は避けて通れないテーマですが、取り扱い方を誤ると大炎上するテーマでもあります。今日は職場の問題解決を会議でファシリテーションする際のコツをお伝えします。

 

不平、不満を大歓迎

会議をどのように組み立てるかが極めて大切です。職場の問題解決を会議で取り上げると犯人探しに陥ってしまったり、話し合う前から、諦めムードが漂ったりしてはいないでしょうか?かと言ってポジティブに考えることを強いても、現場はシラけてしまいます。私が職場でこの手のテーマを取り上げる際は、まず、メンバーの不平不満をださせます。その時は他責OK。ポストイットを使って個人でまずは書き出してもらいます。いきなり発言はハードルが高いですから。書き出したポストイットを、メンバーで分類をして見出しをつけて貰います。週刊紙の中吊り広告のように面白おかしく書き出してもらいます。まずは、現状の不平不満を吐き出させることが必要です。

 

大前提は心理的安全性

上記のような会議を行うには大前提があります。上司とメンバーの信頼関係です。これは時間が必要です。自由な発言を求めると言う事は、裏を返せば自由な発言が出ずらいという証左ですから💦 メンバーとの信頼は、小さな約束を確実に守る、日常のコミュニケーションを大切にするなど細かい行動の積み重ねしかありません。

 

未来に視点を向ける

不平、不平が洗い出せたら、その中のキーワードを一つ取り上げ新たな話し合いを行います。ズバリ、取り上げた不平、不満のキーワードを放置しておくと「どうなる?」「どうなる?」を考えていきます。問題解決の定番の「なぜなぜ分析」の逆バージョンです。どうなるを考える過程で、さすがにこのまま放置すると被害が拡大することに危機感を抱くようにします。そのような精神状態に持っていくと、現実的な解決案もでてきやすいです。当事者意識が芽生えているわけですから。

これを原因追求型で始めると、理路整然とした解決案は出せても実行が難しい案が出てきたり、どこかで聞いたことがあるような玉虫色の解決案でシャンシャンでで終わってしまい、問題は解決せず、むしろ悪化してしまうこともあります。ちょっとしたアプローチの違いで、アウトプットは変わってしまうという事です。

【人材育成】強みを伸ばす3つのアプローチ

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今日も私の本業であるビジネスパーソンの育成のお話です。今日は強みの具体的な伸ばし方について考えてみます。

強みの引き出し方は違う

このブログでも何度もお伝えしている通り、育成は部下の長所や強みをいかに引き出すことが重要です。管理職の立場からは、部下の弱みや短所に目がいきがちですが、弱みをマイナス20からプラス3まで引き上げても戦力的な貢献は少ないのは明らかで。3の強みを20まで引き上げた方が、組織的にも本人にとってもメリットは多いです。

 

余計なお世話にならないように

経験と振り返りが鍵です。もう一つ考慮すべきは、本人の志向性です。いくら「君が成長するには、○○の経験が役立つから」と言われても、本人的には「余計なお世話」「余計な仕事を増やされた」と感じているかもしれません。

 

強みを伸ばす3つのアプローチ

1番上司として楽なのは、新しい仕事や難易度が高い仕事にチャレンジしてくれるメンバーです。ストレッチな経験を楽しんでくれるので楽ですよね。こういうタイプは強みの周辺で違った経験を積ませることで、能力を伸ばすアプローチが有効です。

しかし、一方、新しい仕事の領域は増やしたくないというメンバーもいますよね。そういう場合は、仕事の領域は変えずに、深めていくというアプローチが有効です。専門性や生産性でより高い目標を課すアプローチになります。

上記二つが基本アプローチですが、もう一つ例外があります。それは強みは明確なんですが、それ以上に弱みが邪魔しているタイプです。例えば実行力はあるが、それ以上にパワハラが凄いタイプとか。一昔前前であれば、稼いでいれば多少目をつぶってくれましたが、もうそんな時代ではないですよね。本質的な部分は変わらないのでしょうが、周囲のメンバーからせめて許容されるまでには、態度、言動、行動は是正しなくてはいけません。これは最も育成アプローチとしては手間がかかります。根気よくリフレクションするしかありません。

【人材育成】ビジネスパーソンの成長に繋がる経験とは何か?

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今週は経験学習理論に基づいて、具体的な部下育成の進め方について考えてきました。振り返りの際の「技」を中心に説明してきましたが、肝心の経験については充分説明できていませんでした。今日は経験を深掘りしていきます。

 

 

ストレッチした経験

経験学習理論では、本人にとってストレスな経験が成長に役立つと考えられています。部下の成熟度や仕事によって、成長に役立つ経験は異なります。ただ、大きくはこの辺りが成長に役立ちそうだということが、少しずつ分かってきています。そのキーワードは、下記3点です。

  1. 連携
  2. 変革
  3. 育成

 

連携の経験

他部門との調整や部門横断のプロジェクト、顧客や取引先との打ち合わせ等です。他部門や顧客と一緒に仕事は、個人の力が問われますよね。肩書きや権限は役立ちません。ごまかしが効きません。だから、否応なしに自分の能力を高めることになります。管理職になる前に、このような経験を積むことは有効です。他者を動かす難しさと楽しさを学ぶことができます。

 

変革の経験

部門内の業務改善、変革の経験、部門内の新しい戦略策定をする等です。改善の経験は職場内でもたくさん見つかるかと思います。一方、変革となるとレアですよね。また、変革の経験は難易度が高いです。どんなに良い変革だとしても、通常は逆風の中からスタートしますから。変革の経験は、一皮剥ける成長に繋がりやすいですが、しっかり上司がサポートしていくことが肝要です。

 

育成の経験

人を育成すると、教えられる立場より、教える立場の方が圧倒的に成長に繋がります。教えるためには、内容について十分な理解は勿論のこと、相手の成熟度によって教え方を工夫しなければいけません。内容や教え方以前に関係性も構築しなくてはいけません。

 

上司の役割

どんな経験を積めるかは偶然による所は多いですが、上司は期初の段階で社内にどんな経験を提供できるかを準備しておく必要があります。部門内にある仕事、ない仕事。すぐに担当させられ仕事、させられない仕事。この辺りは日頃からリスト化していく必要もあるでしょう。事業が成長している企業や事業部に所属していれば、そんな準備しなくても大丈夫でしょうが、多くは目先の業績達成で手一杯です。生産性を重視せざる得なくなり、同じ仕事だけをさせがちになります。仕事は変わらないが、目標数字だけ高くなったりしますから。どんな仕事をアサインできるかが、育成の要になります。