クマ坊の日記

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昇進昇格制度と西郷どん

今日は企業の昇進昇格のお話しをしたいと思います。お客さまの人事制度設計支援をしたりもします。まあ、私は詳細の作り込みはできないので細部は専門のコンサルタントにお願いをします。私が担当するのは構想設計っていってそもそもどんな人事制度にしましょうかねという検討する部分です。人事制度の一部で切っても切り離せないのが昇進昇格制度です。企業に勤められているビジネスパーソンは様々な試験を受けさせられているのではないでしょうか。

目次

 

「功ある者には録を徳あるものには地位を」

昇進昇格制度の話をするとき、私がよく例にあげるのが「功ある者には録を徳あるものには地位を」です。この言葉は、今大河ドラマで放映中の西郷隆盛の言葉です。大河ドラマは少し見たのですが、鹿児島弁が分かりづらかったのと、史実と違い所もあり、毎回見るには至っていません💦西郷隆盛と言う人は不思議な人物です。明治維新の立役者でありつつ、その活動の一部は今で言うテロのような事を江戸で起こしたり、かと思えば新政府の敵であった東北の庄内藩に寛大な対応をして感謝され、かつて敵であった庄内藩の人によって「南洲遺訓」が書かれる。明暗併せ持つ所が魅力なんですかね。話が脱線しました。さて、「功ある者には録を徳あるものには地位を」というのは人の処遇方法を端的に表した言葉です。

 

多くの企業では「巧ある者」を昇進昇格させ給与も与えます。仕事で成果が上げたんだから当事者としては当然求めるものですよね。でも、ここに落とし穴があります。「功ある者」は必ずしも人格者ではありません。「功ある者」は必ずしも良い上司になれるとは限りません。むしろ、人の上に立つ者としては問題が多い場合もあります。西郷さんが言うように、「功ある者」には録。つまり賞与で報いるのが一番良いです。そして「徳」がある人にしかるべき地位を与えたほうが組織としては上手くいきます。難題なのは「徳」がある人をどうやって選ぶか?って話です。部下からの推薦が一番いいと思いますが、そんな選び方をする会社は数少ないですよね。

 

卒業方式から入学方式へ

2000年代初頭までの日本企業の昇進昇格制度は卒業方式と呼ばれていました。現場で成績を上げたから管理職にあげよう。管理職に上がってから管理職に必要な勉強してねという考え方です。現場卒業したからステップアップ!というイメージです。しかし、近年は大手企業を中心に入学方式の昇進昇格制度を志向しています。管理職になる前に、管理職に必要な知識、スキルは習得しよう。試験では管理職にあがったらパフォーマンスが発揮できるかを審査するというものです。

 

昇格審査で何を見ているのか

様々な人事系コンサルティングファームが昇格審査を提供しています。微妙に内容は違いますが、大きくは次の2つを見ています。「問題解決力はあるのか?」「周囲を巻き込むコミュニケーション力を発揮できるのか?」ストレスのかかるシチュエーションでこの2つを図るものがほとんどです。ストレスのかかるシチュエーションというのがミソで、その人の地が見えるように設計されています。だから付け焼刃の対策では、高得点を取るのは難しいでしょう。もし、そのような審査を受けるのが決まったら日常業務の中で、「職場の問題は何かを意識して仕事したり、周囲を巻き込み仕事ぶりにトライする」のが最大の試験対策にはなります。意識するだけで行動はだいぶ変わりますから。そして背伸びして自分をよく見せようとしないこと。特にコミュニケーションはいつもより口数が多くなったり、発言をリードしようとする人もいますが発言以上に大切なのは話を聞けているかどうかが大切です。

 

面接では何を見ているのか?

上記のような審査以外に、役員との面接もあると思います。ここで見ているのは人柄と熱意です。まあ印象ですよね。短いフレーズで結論から話すようにするといいですよ。役員はたくさんの人数の面接で疲れますからね。端的に話をしてくれたほうが印象に残こります。