クマ坊の日記

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ポジティブ心理学をサクッと解説してみる

前回のブログでは、「ポジティブ思考よりも大切なこと」と題してなんでもポジティブ思考だけで乗り切らないほうが良いという趣旨の記事を書きました。しかし、ポジティブ心理学の効用を否定しているわけではありません。今日はポジティブ心理学についてサクッと解説してみたいと思います。

 目次

 

ポジティブ心理学とセリングマン先生

割と歴史の浅い学問です。90年代終わりに始まった心理学そのものを見直そうという運動です。アメリカ心理学会では次のように定義されています。

「精神病理や障害に焦点を絞るのではなく、楽観性やポジティブな人間の動きを強調する心理学の取り組み」

 難しいですね💦

 

乱暴にいうと、心理学は戦争とともに研究が進んできた学問です。戦争で心が傷ついた人を助けることが急務でした。そのため、心の弱さや弱点、人間の不安などについて焦点を当てた研究が先行して行われました。その結果、不安障害とか鬱とか。心の病気にかかった人を治療する学問の側面が大きくなりすぎてきたんですね。

そのような状況を憂いたのが、ポジティブ心理学の生みの親であるマーティン・セリングマン先生だったんです。セリングマン先生は「心理学は暗い学問じゃない、もっと明るい学問なんだよ。人間の弱さを研究するだけでなく、人間の優れた働きや、人間のもっている良い働きについて研究し、それを伸ばすことができるはずだ!」と心理学のあり方自体に問題提起したんですね。

 

学習性無力感と学習性楽観性

リングマン先生は元々うつ病の心理学的研究をしていました。有名な犬の実験があります。犬をどうやっても逃れることができないような状況に置き、電気ショックを与える。(なんとも酷い実験ですが)そうやって犬に「絶対に逃げられない」という経験をさせます。その後、この経験をした犬たちを、今度は、特定の行動をすれば電気ショックから逃げられるという状況に置いてやります。すると約30%は逃げることを学習しますが、残りの70%は逃げることをしませんでした。「絶対に逃げられない経験」をしたことで、何をしても無駄だと「絶望」を学習してしまったわけです。これを「学習性無力感」といいます。人間も同じで、どんなことをしても解決策が見つけられないという経験をすると、絶望や無力感を学習してしまいます。セリングマン先生はこれがうつ病の一つのモデルではないかと考えました。つまり、無力感を学習し、うつ病状態にある人は、何か悪いことが起きた思ったとき、それは自分自身に原因があると考えてしまう。。。

 

ここでセリングマン先生は考えました。逆もあるのでは? つまり「学習性無力感」を学習するのではなく、「自分は無力じゃない」ということを学習することもできるんじゃないか?これを「学習性楽観性」と呼びます。そして、この学習性楽観性に基づいた治療が行われ、実際効果があがったんですね。

 

ポジティブ心理学とは

「物事を楽観的に考えればいいんだよ」「イケイケどんどんでいけるっしょ!」という単純な話ではなく、「すべての心の働きは自分の責任であると考え、弱い心も受け入れよう。何か問題が起こったとしても、自分自身のいいところを働かせれば克服できるかもしれない」「外的な影響を受ける一方の傷つきやすい存在だけでなく、どんな困難があっても人間はいきいきとした人生を築いていけるんだ!人間なめんな!」という考えが根底に流れる考え方なんですね。

もちろんセリングマン先生は「人間なめんな!」のような下品な言葉は使っていないのであしからず。

 

このセリングマン先生の理論を下敷きに、ポジティブ心理学は発展していきます。また別の機会に記事を書いてみたいと思います。