クマ坊の日記

人材育成と本とサッカーが中心のブログです

仕事人生のリセットボタン

 

 

今日は書籍の紹介です。「仕事人生のリセットボタン」です。作者は400メートルハードルの日本記録保持者である為末大さんと、東大の准教授の中原さん。異色の組み合わせですが、40代より下のビジネスパーソンにオススメの1冊です。

 

目次

 

 

なんでこの二人で本を書いたのか

為末さんは元アスリート。中原さんは大人の学びを研究する東大の准教授。共通点は40代。なんでこの二人が本を書いたのか?それは帯にかかれた文章が端的に表現しているのでそのまま引用したいと思います。

安定した会社に入ったから「もう人生は安泰だ」なんてことはもはやない時代。本当にこれから給料が上がっていくのか?と不安に思う人も多いだろう。そうした状況でも生き抜くために、自分のこれまでの人生を振り返り、適切なタイミングで方向転換するための考え方を身につける必要がある。若いうちに仕事をリセットしなければならないアスリートの言葉と人材育成を研究する学者の言葉が交差するところに、そのヒントがたくさん詰まっている

一流アスリートである為末さんの経験を、人材育成の専門家である中原さんとの対話を通して言語化しビジネスパーソンにも役立つ知見を引き出してくれている本です。

 

7割くらいのときに「もう終わりだ」を感じろ

為末さんは、スポーツ選手が引退を決断するのは、「一言で言うといかに損切りをするか」と持論を述べます。今まで自分に投資してきたものを考えて、引退するかどうかを考えるとのことです。そしてスポーツ選手は活躍できる期間が短いため、引退する前から準備することが大切だと言います。

なぜならアスリートは練習して大会で活躍することでスポンサーがつくの繰り返しです。しかし、結果を出し続けるのは至難の技だし、引退すると過去の名声や知名度を保つのが難しいからです。

だから現役の時から文章を書いたり、アカデミックな世界で勉強したり準備するのが望ましい。でも多くの現役アスリートは競技生活でいっぱいいっぱいなので、他の経験が圧倒的に少ない。(他の経験とは勉強とか仕事の経験を指します)そのため、せっかくアスリートとして輝かしい結果を残せたとしても、その経験を引退後の第2の人生で役立てることができない人が多いと言います。だからこそ、為末さんはピークに達する手前の7割ぐらいで、次のことを考えてしまうそうです。

これは働くビジネスパーソンにも当てはまることです。専門スキルを高めていってもどこかで限界を感じることが普通です。ラインを出世していってもやはりどこかで限界にぶち当たります。限界にぶち当たってから次のことを始めようと思っても遅かったりします。新しいスキルを身につけたり、人脈を築いたり、新たなビジネスを始めようと思ってもどれも一朝一夕には実現できないからです。

為末さんのアスリート経験を聞きながら、中原さんもこんな持論を展開していました。

たぶん、人生にはいくつかの上り坂やピークが何回もあるんだと思うです。僕の持論は、「ピークの下りはじめになってから、次は何をしようかって考えるのは遅すぎる」というものです。ピークのど真ん中で考えても遅すぎる。人生において、次に何をするかは、ピークの上り坂の七合目くらいで考えはじめてちょうどいいと思っています。

 

自分のキャリアを考える

私も為末さんと中原さんの考えには共感します。もっとも人は何歳になっても成長できると考えてもいるので、遅すぎるということは全員には当てはまらないと考えます。しかし、ピーク過ぎてから次のことを考えるのはパワーがいるのは間違いないので、ピークの7割ぐらいから次のことを準備した方がいいと思います。

日本人はキャリアチェンジを考える時に、退路をたって新しいことにチャレンジすることを潔いと考える人が多いような気がします。でも、ゼロか1かと極端にキャリアを振るだけが良い選択だとは思いません。自分の収入源や得意技をキープしつつ、恐る恐る新しいことに少しづつチャレンジするのもありだと思います。年を取るにつれ守るものも増えてきますから。恐る恐るだから時間もかかります。それゆえ次のキャリアの準備をする時間が必要なんだと私は考えます。

 この本は、これから長いビジネスライフが始まる20代、職場の中核になり脂が乗ろうとしている30代、そして私と同じ40代のビジネスパーソンのおすすめの本です。年末年始にこの本を読みながら、自分自身のキャリアについて振り返り、まだ見ぬ将来に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。