クマ坊の日記

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マーケティングの基本をサクッと教えます

今日はマーケティングの基本について解説したいと思います。

 目次

 

マーケティングとは何か?

マーケティングとは一言で申しあげると「商品・サービスが売れる仕組みづくり」です。マネジメントの大家であるドラッカー先生はマーケティングをこのように表現しています。

マーケティングの目的は販売を不要にすることである」

「企業のあらゆる機能の中で、マーケティングは唯一アウトソーシングできない中核機能である」

                byドラッカー

 

マーケティングを考える4つの枠組み

マーケティングを考える時に、頭の中にイメージしておくといいのは4つの基本スタイルです。どんなビジネスも、①差別化 ②コストリーダーシップ ③集中化 ④ビジネスモデル・の4つで説明できます。従来はどれか1つの特徴が際立つだけで売れる仕組みができました。しかし、昨今は2つの要素の組み合わせがビジネスでは成功しているように感じます。

①差別化⇨市場にないもの、競合に真似できないもの。量より利益率優先

②コストリーダーシップ⇨競合より安くし、市場から駆逐する。利益率ではなくて、総利益額を優先

③集中化⇨特定の領域に集中化し、競合関係を変える。その領域内で「差別化」「コストリーダーシップ」を発揮する

④ビジネスモデル⇨全体の仕組みを変え、競合関係を変える。その仕組み内で「差別化」「コストリーダーシップ」を発揮する

 

差別化とコストリーダーシップのどちらに軸足を置くか

どのようなマーケティング戦略を取るにしても、必ず考えなければいけないのは「差別化に軸足を置くのか?」「コストに軸足を置くのか?」を決めなくてはいけません。差別化もコストも両方を追求するという会社もありますが、よくよく観察すると差別化かコストどちらかにより軸足を置いています。戦略を考える際にどんな顧客に購入して欲しいかを当然考えます。すると必然的に差別化かコストのどちらかに軸足を置くかを決めなければなりません。企業のリソースは有限ですから当たり前でもあります。

 

ゴールイメージが明確に描けるか

マーケティングには代表的な分析手法がいくつかあります。しかし、いくら精緻に分析しても答えはでてきません。せいぜい分かるのは、そこは明らかに地雷だから避けた方が良いぐらいでしょうか。マーケティングを成功させるか否かは、ゴールイメージが明確に描けるかどうかです。顧客の立場に立って、ゴールイメージが描けるか否かです。そして1番厄介なのは顧客の立場に立った視点を獲得できるか否かです。これは本当に難しい。顧客の立場に立ってと言いながら、自社の立場、自分の立場で市場を眺めてしまいます。

 

優れたマーケティング戦略

優れたマーケティング戦略とは、「自社の強みを最大限生かし、他社の弱みを徹底的に攻撃するです。」具体的な商品でいうと、ちょっと前に売れた資生堂の「TUBAKI」。それまでの女性用シャンプーは外国人の金髪をイメージした商品が売れていました。だから広告のイメージキャラクターもハリウッド女優を起用していました。そこに、資生堂は「日本の女性の髪は綺麗だ!」というコンセプトをぶつけてきました。広告のイメージキャラクターも日本を代表する女優、モデルを数多く起用。これが女性の潜在的な願望にドンピシャでした。他のメーカーは外国人の金髪イメージだったので、なす術がありませんでした。短期間でカテゴリーのトップシェアを奪った戦略は見事でした。

 


Shiseido Tsubaki CM (2007 新春篇)

マーケティングの大家といえば

マネジメントの大家がドラッカー先生であれば、マーケティングの大家はコトラー先生です。 コトラー先生はマーケティングの理論をまず体系化しようと試みました。前述しようなマーケティング理論はコトラーさんが提唱しました。特にポジショニングについてはコトラー先生は大いに語っています。コトラー先生の論理を乱暴に一言で表すと「儲かりうる市場を見つけて、儲かる位置取りをしろ! 商売は立地が大切だよ」です。

 

企業能力(ケイパビリティ)も重要

しかし、コトラー先生がいうようにビジネスは単純ではありません。同じ業界で、同じ戦略をとっていたとしても、業績ってバラバラなんですよね。だからポジショニングの問題じゃなくて、企業能力(ケイパビリティ)のほうが重要だという学者さん達もいます。私はいい立地で、いい企業能力で戦うのが良いと思うので、ポジショニングもケイパビリティもどっちも重要だと考えています。

 

徹底出来るかどうかが鍵

実際のマーケティングが成功できるかどうかは、方針を徹底できるか否かだと私は思います。商品開発担当は、顧客起点で商品をつくりあげても、経営会議で役員が「⚪︎⚪︎の機能も追加した方がいいのではないか?」「ターゲットはもう少し広げてもいいのではないか」とか、現場では「こういう表示をしたほうがわかりやすい」とか。みんな良かれて思ってアイデアを考えたり、施策を打つことで、最初に想定していた商品・サービスと全く違うものが市場に出てくるなんてこともよくあります。ヒットするにせよ、ヒットせないにせよ首尾一貫性をどこまで維持できるかが、マーケティングでは大切です。