クマ坊の日記

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誰をOJTリーダーに任命するのか

「新入社員を職場に迎えることになったら」で新人育成について記載しました。しかし、新人育成でもう一つ重要な要素であるOJTリーダーの任命について記載できていませんでした。今日はそのOJTリーダーについて書いてみたいと思います。

 

kumabou2016.hatenablog.com

 「誰をOJTリーダーに任命するのか」これは新人育成において非常に重要です。でも、多くの企業で誤った人をOJTリーダーに任命していることも多いです。良い計画や仕組みを持っていても、直接指導にあたるOJTリーダーの任命を誤ると新人の成長を阻害することになります。


よく見かけるのは、歳が近いという理由で入社3年目から5年目をOJTリーダーに任命するパターンです。任命する側としては、歳が近いから話もしやすいだろう。OJTリーダーの役割を担うことで先輩にも、もう一回り成長して欲しいという希望があります。


理由はもっともなのですが、現実はうまくいかない事が多いです。何故なら、入社3年目や5年目ではまだ仕事に熟達していないからです。仕事もだいたいは把握していますが、卓越しているレベルではありません。そのため、新人から質問されても自信を持って答えられない。自信を持って指導できないという事態に陥ります。もっと始末が悪いのは間違ったやり方や、変な仕事の癖を新人に教えてしまうこともあります。


作業や手順はマニュアルに沿って指導するのでそんなに変な指導はしないかもしれませんが、仕事に臨む姿勢や、価値観など長期キャリアに影響する部分での悪い影響力は無視できません。OJTリーダーも別に意地悪していい加減なことを教えるわけではありません。自分自身も分からないし、不安なのです。新人に弱みも見せたくないですしね。


では、OJTリーダーには誰を任命したら良いのでしょうか? ずばり、職場のエース級を任命するのが一番いいです。入社10年目。高卒なら28歳から30歳。大卒なら33歳から35歳ぐらいでしょうか。もちろん彼らは職場の中核。OJTリーダーをする時間もないかもしれません。でも、新人の成長を願うなら、絶対に職場のエースを導入すべきです。短期的には職場の生産性は下がります。でも、新人が育てば一気に生産性など挽回できます。中途半端な中堅ばかりしかいない職場のほうが問題です。


また、OJTリーダーを務める入社10年目の社員にとってもメリットがあります。新人指導を通して、部下育成やマネジメントの経験を獲得することができます。職場のエース級は近い将来、管理職になっていくことを会社から期待されます。

でも、仕事ができる=良い管理職ではありません。管理職は周囲の人を使って成果をあげる人です。そして大抵の場合、自分よりも優秀な部下を持てる機会は稀です。組織で成果をあげるためには、部下育成は必ず直面する課題です。管理職になる前に、OJTリーダーを通してプレマネジメント経験できるのは貴重な機会です。


もちろん、職場のエース級にOJTリーダーを任せる際は、彼ら彼女らにとっても有意義な経験であることをしっかり伝えなければなりません。また評価の際も、加点評価の対象とできればなお望ましいと思います。人の成長に関わることは難しいですが、成長している過程を見れるのは嬉しいことです。